てるみくらぶの破綻によって海外に取り残された顧客の数は、3,000人に及んだとされる。(画像:いらすとや)

写真拡大

 旅行中の利用者を多数残したまま27日に破産手続きを開始したてるみくらぶについて、東京商工リサーチがその資産内容を発表した。それによると、てるみくらぶは2016年後半から今年の3月23日にかけ、75億円だった債務超過額が約126億円まで膨張。現預金は14億円から2億円に、借入額は23億円から32億円に。しかし、前受金の額は70億円から100億円になっていたという。

 ここまでで明らかになっている、この事件に関するあらましを述べていこう。まず、24日頃から、てるみくらぶで旅行手続きを行った利用者が、空港などでチェックインを拒まれる事態が頻発。まもなく、てるみくらぶは記者会見を開き、経営破綻の事実を明らかにしたが、トラブル件数は3万6,000件、破産に伴う被害総額は99億円に及ぶという。だが、返済可能な金額は1%程度であると見られており、事態は深刻だ。

 また読売新聞などによると、同社が募集した海外ツアーを巡って、利用者がツアー料金などの弁済を「弁済業務保証金制度」(日本旅行業協会の制度)によって求めた申し込み数が、28日夕方までに、既に2万件を超えているという。

 ただし、この制度で弁済されうる金額は、てるみくらぶ社の供託金2,400万円の5倍にあたる1億2,000万円までであるという。99億円の損害額に対してこれであるから、弁済業務保証金制度による全額の弁済は極めて困難な状況となっている。

 また、「てるみくらぶから料金が未払いである」として滞在先のホテルからチェックインを拒否された、などの深刻なトラブルも相次いでいる。既にことは政治のレベルに達しており、28日、石原国土交通相は記者会見の場で「帰国に支障をきたすことがないよう、万全の対応を行っていく」としている。

 なお、てるみくらぶの社長は記者会見で「これは詐欺ではない」と主張しているが、てるみくらぶの対応は旅行業界の過去の類似事例と比較しても非常に悪質であると言われており、今後厳しく追及していくことが必要であろう。