『海辺の生と死』 ©2017島尾ミホ/島尾敏雄/株式会社ユマニテ

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映画『海辺の生と死』の追加キャストが発表された。

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島尾敏雄が自身の戦争体験をもとに執筆した小説『島の果て』と、島尾敏雄の妻・島尾ミホが敏雄との出会いなどを綴った『海辺の生と死』の2作品を原作にした同作。奄美群島・カゲロウ島に駐屯してきた海軍特攻艇の隊長・朔と、国民学校の教師・トエが激しく惹かれ合う様が、第二次世界大戦末期を舞台に描かれる。これまでに島尾ミホがモデルのトエ役を満島ひかりが演じることが明らかになっていた。

今回出演が発表されたのは、トエの恋人で島尾敏雄をモデルにした朔役を演じる永山絢斗。朔は文学に夢中の青年だが、突然特攻艇隊隊長に任じられて島で出撃命令を待つことになるというキャラクターだ。さらに島で「慈父」と慕われるトエの父役を津嘉山正種、朔の部下・大坪役を井之脇海、兵士役を川瀬陽太が演じる。撮影は奄美群島・加計呂麻島で行なわれた。

永山は撮影を振り返り「朔という一人の男の胸の内の葛藤に、僕自身も苦しみ、心が同じように高鳴って、幸せを感じることが不思議なまでに出来ました。そして僕の中で朔という男は、今でも軍服を着たままの姿で、壁一枚隔てたすぐ向こう側にいるように感じるのです」とコメント。

また主演の満島は同作について「島に棲む、人間の姿をした狗神のような女が、内地から特攻艇に乗るため、島へやってきた男と鮮烈に出会いました。女は自然を愛する男に狂うほどの恋をし、男はその女の海ほど深い愛にのみこまれてゆきます。この作品は、『愛vs戦争』の話だと思います。自然の愛おしさと恐さ、現実のぬるさと心地よさ。みた人が何かに『気づく』映画、かな」と語っている。なお今回の発表とあわせて同作の公開日が7月29日になることも明らかになった。

■永山絢斗のコメント
瀬相(せそう)港で一人フェリーを待つ間、ワクワクを抑えきれず防波堤を走って海に飛び込んだのは紛れもなく『この、僕』でした。どの島とも異なる独特な雰囲気を持つ奄美大島加計呂麻島で送った撮影の日々に、監督・共演者・スタッフ・出会うことの出来た全ての皆さん、海に・砂浜に・動物たちに・たくさんの緑に、そして島尾敏雄さん島尾ミホさんへの感謝の気持ちでいっぱいです。
朔という一人の男の胸の内の葛藤に、僕自身も苦しみ、心が同じように高鳴って、幸せを感じることが不思議なまでに出来ました。そして僕の中で朔という男は、今でも軍服を着たままの姿で、壁一枚隔てたすぐ向こう側にいるように感じるのです。