ドル・円為替、3月29日の動きとポイントは

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 1ドル110円を割り込むギリギリのところで為替相場の流れが大きく変わった。3月29日0:00(すべて日本時間)には1ドル110円18銭までドルは下げていた。10年債権利回りも2.4%を下回ったままの状態である。しかしこの状況から3:00までの3時間で1ドル111円まで急上昇したのだ。なぜだろうか。

 これには多くの経済関係者のコメントが影響を及ぼしている。1:50ごろのイエレンFRB議長の講演では「アメリカ経済は全般的に回復してきている」「雇用市場はリセッション以降に大きく改善された」という前向きなコメントを発表した。この声明に市場は反応し、1ドル110円60銭からドルは上昇を続けていく。

 2:30ごろにはジョージ・カンザスシティ連銀総裁の講演から「アメリカ経済は近年で最も拡大」。続けて2:45ごろには「段階的な利上げを望む」とコメント。2:39ごろにはフィッシャーFRB副議長が「今年のあと2回の利上げは正しい」というコメントを発表した。2:55ごろにはカプラン・ダラス連銀総裁の講演から「段階的な利上げを望む」とのコメントが、ドル高に追い打ちをかけるようにまさに矢継ぎ早に発表されたのだ。これにより10年債権利回りは、2.417%まで回復。ドルは1ドル111円まで戻し、最高値で1ドル111円20銭まで上がったのである。

 それ以前に23:00ごろに発表されたリッチモンド連銀製造業景気指数が、7年ぶりの高い数値だったことも影響している。3月30日に発表される半期GDP成長にかなりの期待感を抱かせる結果になった。ダウ工業株30種平均も一時は150ドル以上上がり、これでアメリカ経済は全般的に上向き具合を示した。

 3:23にはトランプ大統領が「大統領令でエネルギー・雇用は新時代を迎えることになる」とのコメントを発表したが、面白いことに、ここでドルの上昇は収まった。

 今晩には22:20からエバンズ・シカゴ連銀総裁の講演、0:30にはローゼングレン・ボストン連銀総裁の講演、2:15からはウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁の講演がある。23:00には2月のアメリカ住宅販売保留指数も示される。GDP成長にさらに期待できるような数値が発表されるのだろうか。

 アメリカ経済関係者たちのコメントによって為替相場は大きな変動を受けたが、日本市場はこれをどう受け止めるのだろうか。