2試合連続で途中出場だった本田。ピッチに立って感じたチームの課題とは? 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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[ワールドカップアジア最終予選7節]日本 4-0 タイ/3月28日/埼玉スタジアム
 
 本田圭佑は先発予想もあったタイ戦で、5日前のUAE戦に続く2試合連続のベンチスタート。66分、左ウイングの原口元気との交代でようやく出番が巡ってきた。
 
 右ウイングでスタメンだった久保裕也は攻撃的なポジションならどこでもこなすため、久保を左サイドに回し、本田は定位置である右サイドに入るかと思われたが、背番号4はそのまま左に陣取った。
 
 試合後、本人は「あんま聞くことないかなと思うんですけど」と言いながら取材陣の前で立ち止まり、その時の心境をこう明かしている。
 
「左だったので、正直、イメージを作れないまま入った。今日いきなり言われたので」
 
 実際、本田のパフォーマンスは及第点を下回る内容だった。ファーストプレーの68分にはスルーパスを失敗し、ほぼフリーでボールを受けた69分は鋭さを欠きシュートを相手GKに弾かれる。78分のロブパスも精度を欠けば、82分には判断の遅れからボールロストした。
 
 久保が宇佐美貴史との交代でベンチに退いて右サイドに回った84分以降も含めて、可能性を感じさせたプレーは、一旦は敵に阻まれるも粘ってクロスに繋げた80分、キープから中央の清武弘嗣に繋げた89分の2回のみだった。
 
 途中交代の準備をしていた時は、「もう3-0の状態だったので勝敗は問題なかったし、内容に関しては考えながら入りました。結果とは関係がないところで何かを感じながらやらないと、意味がないなと思っていたので」という本田。実際にピッチに立って以降は、チームの問題点を痛感したという。
 
「守備の時に両サイドアタッカーが引きすぎてしまって、ボールを奪った時にいるべきところ(ポジション)にいない。前に岡(CFの岡崎慎司)しかいないってケースがある。これは攻撃のやり方、繋ぎ方に問題があるというよりは、意外と守備のやり方に問題があるんじゃないかとか、やりながら感じました。相手のサイドバックが上がった時にウチのウインガーがどう対応するのか」
 
 本田も81分のピンチでは自陣ゴール前まで戻ってクリアをするなど、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の守備戦術を遂行。しかし、この日はダブルボランチが酒井高徳と山口蛍の急増コンビでビルドアップが機能しなかったうえ、チーム全体が引きすぎるあまり、指揮官が志向する「縦に速い攻撃」が繰り出せなかったと指摘した。
 4-0と結果的には快勝に終わった試合だが、それでも苦言を呈したのは、もちろんロシア・ワールドカップ本大会を見据えてだ。
 
「今日、タイは頑張って繋いできましたけど、ここまで予選を通過してきた国くらいならば、当たり前のようにあれくらいはやってくる。それにしっかり対応しなければいけないし、相手のレベルがもっと上だとさらにフィニッシュのレベルも上がってくるわけですから。今日は無失点でしたけど、2、3失点するかもしれない。逆に僕らは今日みたいに4、5点を取るのが難しくなる。そういう意味では、チームの出来としては誰ひとり満足してないと思います」
 
 さらに改めて、現代表の戦い方はワールドカップを見据えれば「僕は良いとは思ってない」と苦言。しかし、その考えを指揮官やチームメイトに直談判するのは、相応しい時期を見計らっている状態だという。
 
「話すタイミングを考えたいかなと。今いくらでも言うことはできるけど、できるだけみんなの奥底にスッと入ってくる言葉をタイミングよくかけたいから。もう少し僕の状況が好転してから、そういうことは話したほうがいいのかなと」
 
 本田が所属するミランで出番に恵まれていないのは周知の通りで、その影響をモロに受けて代表戦でも3試合連続のスタメン落ち。もはやかつてのような不動の存在ではなく、3月の2試合で5ゴールに絡んだ(2ゴール・3アシスト)久保裕也の勢いに押されている印象は否めない。
 
 そんな状況で戦術に口を出してリーダーシップを発揮するのはお門違いだと、誰よりも自分が分かっている――。だからこそ、今は直訴を控えているのだろう。
 
 はたして、長きに渡って日本を牽引してきたレフティーは、再びチームで大きな存在感を発揮できるまでに復活できるのか? 
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
 
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