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過酷な労働環境で知られる保育業界。女性保育士らが3月28日、厚労省記者クラブで記者会見を開き、「9年間、4つの保育園で働いたけれど、残業代をもらったことは1度もない」などと、労働環境の厳しさを訴えた。

会見したのはいずれも、労働組合「介護・保育ユニオン」に所属する保育士。彼女たちによると、保育業界では労働基準法違反がまかり通っているという。

これまで9年間、3つの保育所を経験した保育士は、今まで一度も残業代をもらったことがないと発言。現在の勤務先では、タイムカードをシフト通りに打刻するよう求められているそうだ。運営サイドに訴えても返ってくるのは、「やり方次第でできるだろう」という返答だけ。実際は、開園作業や自宅で行事用の飾り作りなど、月数十時間の残業があるという。

また、休憩時間が取れない保育所も少なくない。別の保育士は、「子どもが午睡している間に、書類作業をしている。定期的に子どもたちの呼吸も確認しないといけないので、休めない」と語った。

こうした状況から、現場では人が次々に辞めてしまい、技術の継承が困難になっている。新任でいきなり担任を任され、押しつぶされてしまうことも。

悪循環を断ち切るため、彼女たちはこの日、組合として、厚労省に要望書を提出。(1)労働基準法違反の取り締まり強化と、(2)配置基準(保育士1人が受けもてる子どもの数)の見直しを求めた。

(弁護士ドットコムニュース)