日本代表と対戦する「タイ人の名前」が面白い

写真拡大 (全2枚)

かつてサッカーの試合では選手は毎試合違う背番号のみを背負っていた。しかし、現代サッカーではわかりやすさやビジネスの側面から固定背番号と自分の名前がプリントされたユニフォームを着用している。

1990年代中盤から少しずつ広まってきたこの流れはヨーロッパを飛び越え、今やアジアのリーグでも当たり前になっている。Jリーグでもあだ名を登録名にする選手が増えている。元日本代表DF中澤佑二がBOMBER、元日本代表FW三浦知良がKAZUなどが代表例だ。

現在、日本代表が戦っているワールドカップ・アジア予選のライバルたちも面白い表記やルールがあるのをご存じだろうか?

タイ人の名前がめっちゃ長い

タイの人たちはもともと苗字がなかった。また、貴族や王族のような偉い人ほど長い名前、苗字をつけることができた。そのために自由に姓名がつけられるようになってみんなここぞとばかりに長い名前を名乗るようになった。

現在のタイ代表でもっとも長い名前を持つのがベテランゴールキーパーのSinthaweechai Hathairattanakool(シンタウィーチャイ・ハタイラッタナクーン)である。

他にも右サイドバックのNarubadin Weerawatnodom(ナルバディン・ウィーラワットノドム)などがいる。

日常生活ではこのような名前は使わない。生まれた時に別途“チューレン”と呼ばれる愛称を名づけ、それを使うからだ。しかし、テレビ放送ではそうはいかない。実況泣かせと言って良いだろう。

タイ人の名前は変わる

タイに姓の歴史がなかったことを伝えたが、姓が一般化して以降「結婚により姓が一緒になるのはいかがななものか?」という意見が頻出。2004年に夫婦別姓を認め、さらに夫・妻の姓を選べるほか新しい姓を作ってもよいことになったので、さあ大変。

上記は姓のルールであるが、これは名前でも同じである。タイ人は名前をよく変えたりするのだ。

ベテランゴールキーパーのシンタウィーチャイの話をしたが、彼は生まれたときKosin Hathairattanakool(コシン・ハタイラッタナクーン)という名前だった。

他の例も見てみよう。

カウィン・タムサチャナン
Kawin Thamsatchanan
愛称は「トン(Tong)」
2013年にカウィン(กวิน)をカウィン(กวินทร์)に改名した(読みは一緒)

サポーターからはその跳躍力からFlying Kawinとあだ名をつけられている。

ユニネームは現在「KAWIN」であるが、名前の読みが一緒でもスペルをいじるケースすらある。一人の名前にこれだけの歴史があるのである。

タイは名前が登録名

タイは「名・姓」の順番で名前を名乗っている。

ムアントン・ユナイテッドの10番でキャプテンを務めるティーラシン・デーンダー(カバー画像左側)はこうなる。

英語表記:Teerasil Dangda

タイ語表記:ธีรศิลป์ แดงดา

ユニネーム:Teerasil

愛称:มุ้ย(ムイ)

しかし、欧州移籍に際しては名前を登録名にはしなかった。アルメリアに入団したティーラシンは他の選手と同じようにデーンダー(Dangda)を基本にT.をつけせめての抵抗?ユニネームは「T. DANDGA」となっていた。

ACLでも名前で登録

ACLでは愛称の登録が禁止であるため中澤佑二もBOMBERではなくNAKAZAWA表記だったりする。だからJリーグクラブと戦うことになっても他の国も愛称を登録してこない。

しかし、タイは愛称ではないため「名前」を普通に登録してくる。例えば、上記は2013年のACLの写真であるが、ムアントン・ユナイテッドの7番はダッサゴーン(Dassakorn Thonglao)で登録している。

このようにタイ人の名前は非常に興味深いのだ。しかし、アジアは広い。こうした独自の面白いルールがあるのはタイだけではない。香港やインドネシアなど紹介したい事例はたくさんある。またの機会にぜひ紹介させていただきたい。