地球温暖化で糖尿病が1.5倍増に 脂肪が燃えにくい体に変化する?

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世界的に糖尿病患者が急増しているが、その原因の1つに地球温暖化の可能性があるという研究が、糖尿病専門誌「BMJ Open Diabetes Research & Care」(電子版)の2017年3月20日号に発表された。

研究者は、地球温暖化による気温の上昇で、脂肪が燃えにくい体に変化するからだと指摘している。

気温が1度上がると糖尿病が1万人に3人増える

研究をまとめたのはオランダ・ライデン大学のパトリック・レンセン教授らのチーム。同誌の論文要旨によると、世界的に糖尿病患者は爆発的に増えており、2015年には約4億1500万人だったが、25年後の2040年までに1.5倍の6億4200万人に増えると予測されている。一方で、世界の年平均気温は、長期的には100年あたり約0.72度の割合で上昇している。

研究チームは、次のデータをもとに世界中の気温の変化と糖尿病の発症率の関係を分析した。

(1)世界保健機関(WHO)が持っている190か国の人々の糖尿病の基礎データである空腹時血糖値と肥満の度合い。

(2)米国疾病対策センター(CDC)が持っている全米50州とグアム・プエルトリコ・バージン諸島の成人の糖尿病に関する全データ。

(3)英国イースト・アングリア大学気候変動研所が持っている各国ごとの年間平均気温データ。

その結果、世界的な気温の上昇と糖尿病の発症が関連していることを突きとめた。気温が1度上昇すると、糖尿病の発症率が1万人あたり3.14人増加し、脂肪を燃焼させる機能が働かない「耐糖能異常」の発症率も0.17%増えることが判明した。これは、気温が1度上昇すると、米国だけでも年間10万人ずつ糖尿病患者が増えていくことになるという。

その理由として、レンセン教授は論文要旨の中でこう語っている。

「私たちの体には褐色脂肪細胞があり、脂肪を燃焼して熱を発生させ、体温を維持する働きをしています。気温の低い環境下に身を置いていると、褐色脂肪細胞が活性化され、熱をたくさん出しますが、気温が高い環境下では熱を出す必要がなくなり、脂肪を燃焼させる褐色脂肪細胞の働きが鈍くなります。地球温暖化の影響で、脂肪が燃えにくい体に変化していると考えられます」