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by Justin Pickard

ジョージタウン大学プライバシー&テクノロジーセンターの研究によると、アメリカでは成人の約半数の顔写真が政府のデータベースに登録されていて、FBIが犯罪捜査のため自由にアクセス可能となっています。登録されている人の80%は過去犯罪に関わっておらず、パスポートや運転免許書の経由の写真が使われているのですが、データベースのアルゴリズムは間違った結論を導くことも多く、かつ規制する法律がないため、制御できていないというのが現状です。

Facial recognition database used by FBI is out of control, House committee hears | Technology | The Guardian

https://www.theguardian.com/technology/2017/mar/27/us-facial-recognition-database-fbi-drivers-licenses-passports



2017年3月22日に行われたアメリカ下院委員会の公聴会で、FBIが犯罪解決のために自由にアクセスできる顔認識データベースはアルゴリズムの精度が高くなく、15%は本人の特定に誤りがあり、特に白人に比べて黒人の間違いが多いことが非難されました。

現在アメリカにはFBIが顔認識技術を捜査に利用することについて、連邦法や判例による規制が無い状態です。下院議員のジェイソン・チャフェッツ氏は「顔認識技術は人々やその財産、国境、国家を守るための強力なツールです。しかし、顔認識技術は特定の個人をつけたり、嫌がらせをすることにも使われてきました。特に、言論の自由などにおいて、特定の政治的なミーティング、抗議行動、教会などに参加しようとする人々に狙いを定めるために使われてきたのです」と語っており、プライバシー擁護派たちは、FBIが顔認識技術を使うことについて厳格な規則を設けるべきだと主張しました。

FBIは顔写真だけでなく指紋やDNAのデータベースにもアクセス可能ですが、指紋やDNAは基本的に犯罪を犯した時に採取されるもの。しかし、顔写真は本人の同意なしで、渡航の際のパスポートや運転免許書から集めることが可能だという点がプライバシーの観点から大きな問題となっているわけです。なお、FBIはデータベースに登録する免許書写真を集めるためにアメリカの18州と段取りを付けたとのこと。

そして2016年に政府監査院(GAO)がFBIの顔認識技術の使用を分析したところ、責任義務と監督・正確性の欠如が明らかになり、問題解決に取り組むようFBIに呼びかけました。特にシステムがフォルス・ポジティブや人種バイアスについてテストしていないところが大きな問題として挙げられています。GAOのDiana Maurer氏は「同意なしに顔写真を登録された人々が誤認逮捕という重荷を背負い、連邦の捜査官が職場や自宅に突然訪れてくるということさえ考えられる」ということを指摘しました。

また、アルゴリズムの正確性に欠陥があるだけではなく、アフリカ系アメリカ人が監視の対象になりやすいことについても指摘されていますが、人種バイアスについてテストを行うように求められたFBIは「システムは人種を判断するわけではないのでテスト不要」と返しています。「FBIがテストの要望を無視することでテクノロジーがアフリカ系の人々に不相応な影響を及ぼす」として、メリーランド州のElijah Cummings議員は非難しました。



by Matthew Henry

「FBIの顔認識技術に何らかの規制が必要」という意見には、実際に顔認識技術の開発を行っているKairosのCEOであるBrian Brackeen氏も同意しています。Brackeen氏はFBIに規制がない現状を「居心地が悪い状況」だと説明し、「個人のプライバシーは守らなければならない」と主張しました。民間企業が政府と提携することについての規制も現状は十分でなく、自社の技術が監視に使われるのを避けるためにKairosは政府の仕事を断り続けているそうです。