観覧客約600人に紅白もちや花の種を振る舞った

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 花僧・池坊専好が親友の茶人・千利休を自害に追いやった豊臣秀吉に華道で戦いを挑む「花戦さ」の完成奉告(奉納)イベントが3月27日、京都府・紫雲山頂法寺の六角堂で行われ、野村萬斎(池坊専好役)、森川葵(れん役)、佐藤浩市(千利休役)の3人がオクロレウカを献花しヒットを祈願した。

 六角堂は専好ゆかりの場所で、映画に登場する“いけばな発祥の地”。代々六角堂の住職を務める池坊家は、仏前に花を供えるなかでさまざまな工夫を加え、室町時代の「いけばな」成立に至ったという。書物によれば、初代・池坊専好が1462年に花を挿して耳目を集めたことが記されているという。

 歴史ある建物に足を踏み入れた3人。萬斎は「六角堂は、人々に愛されているお堂だと改めて今日感じました。身の引き締まる思いです。池坊555年の歴史の重みを感じながらも、この映画が池坊の発展に寄与できたらという思いで演じました。いけばなは、シンプルな中にも奥深さがあり、私たちの能・狂言の世界にも通じると思います」と胸中を明かす。続く2人も「六角堂を訪れるのは実は2度目です。先日、中に入って色々な花の歴史を興味深く聞かせていただきました。そういったものがすべて映画の中にフィードバックされていると思います」(佐藤)、「この映画が皆さんの元に届くまで、六角堂が映画の大ヒットを見守っていてくれるんじゃないかという気持ちで今日はここに立っています」(森川)と感慨深げに語った。

 萬斎と佐藤は「のぼうの城」以来の再共演。萬斎は「浩市さんと前回ご一緒したときは“でくのぼう”を演じて、今回は“いけのぼう”ということで(笑)、どちらもボーッとした感じの人ではあるのですが」とひょうひょうと語りながら、「専好は、一生を花と共に生きた天真爛漫(らんまん)な人物として演じました。彼は利休という友と、れんという同志を得て、人間の根源になる芸術や文化の力をもって権力者に立ち向かいます。皆と一緒に楽しく笑いあうシーンはエンタテインメント。秀吉の悪政が及んでくると悲劇的になり、専好たちがそれをまた跳ね返していく。笑って泣けて、最後は両方一緒になるというような映画になるかと思います」とアピールした。

 対する佐藤は「茶をたてるシーンでは、手元しか映っていませんが私が全部やっていますので、ぜひ劇場で確認してください」とこだわりを明かし、ヒロインの天才絵師・れんを演じた森川は「これまで時代劇経験が少なく、作法も所作もわからない状態で現場に入りました。萬斎さん演じる専好さんのお茶目な姿や動きを横で見ていて、時代劇だからと構える必要はないんだと気づきました。その時代に普通に生きていた人なんだから、縛られずにどんどん動いていいんだと感じました」と“大先輩”の萬斎に刺激を受けたと語った。

 「花戦さ」は、市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、高橋克実、和田正人、山内圭哉、吉田栄作、竹下景子らが脇を固める。6月3日から全国公開。