米ニューヨークの国連本部で、核兵器禁止条約への反対を表明する米国のニッキー・ヘイリー国連大使(2017年3月27日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】米ニューヨーク(New York)の国連(UN)本部で27日、核兵器を法的に禁止する条約の制定に向けた初の交渉会議が始まり、100か国以上が参加したが、条約は非現実的だとする米国やその同盟国の大半は欠席した。日本も条約に反対しており、交渉会議で演説した高見沢将林(Nobushige Takamizawa)軍縮会議代表部大使は、「国際社会の分断を深める」として不参加を表明した。

 米国のニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)国連大使は交渉会議の開始に合わせ、英国、フランス、韓国、トルコ、東欧諸国など交渉に参加していない約20か国の大使と共に声明を発表。世界が安全保障上の脅威にさらされている現状から、条約に反対するとの姿勢を示した。

 ヘイリー大使は「母親として、娘として家族のために核兵器のない世界を何よりも求めている」としながらも、「現実的になるべきだ」と指摘。「北朝鮮が核兵器の禁止に同意すると信じる人がいるだろうか」と述べた。

 ロシアと中国の大使は声明発表には同席せず、交渉会議も欠席した。ヘイリー大使は「40か国近く」が交渉に参加しないとの見方を示した。

 核兵器禁止条約の交渉開始を定めた決議案は、昨年10月の国連総会第1委員会(軍縮)で123か国が賛成し、採択された。決議案は、北朝鮮の核開発計画などにより核の脅威が高まっているとして、オーストリア、アイルランド、メキシコ、ブラジル、南アフリカ、スウェーデンなどが共同提案。しかし核保有国である英国やフランス、イスラエル、ロシア、米国は反対票を投じ、中国、インド、パキスタンも棄権した。

 唯一の被爆国である日本も、交渉をめぐって意見が一致しなければ核軍縮の進展が妨げられるとして、決議案に反対していた。

 27日の交渉会議で演説した高見沢大使は、「核保有国が参加しない形でこのような条約を結ぶことは、(国際社会の)分裂と分断を一層深める」と改めて強調した。
【翻訳編集】AFPBB News