次は高安!兄弟子の活躍に続き大関昇進へ挑戦

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■相撲ファンが泣いた3月場所 26日、大相撲の3月場所は、横綱・稀勢の里が大関・照ノ富士を優勝決定戦で下し、自身2度目の幕内最高優勝を果たした。稀勢の里は13日目に横綱・日馬富士との対戦で左肩付近を痛めたため、誰もが優勝を諦めていた。そんな中、千秋楽での本割、さらには優勝決定戦と二番続けて照ノ富士を撃破し館内は割れんばかりの歓声を上げた。歓声だけではなく、泣いているファンも多く見受けられた。

 泣いていたのは何もファンだけではない。もしかしたら稀勢の里の優勝に一番熱いものを感じていたかもしれない関脇・高安も泣いていた。高安は稀勢の里と同じ部屋の田子ノ浦部屋に所属している弟弟子。稀勢の里は自分の活躍の裏に高安がいることも度々口にしている。地元も稀勢の里が茨城県牛久市なのに対し、高安は同県の土浦市出身、さらには二人とも15歳で角界に入るなど共通点は多い。

 3月場所は二人とも初日から10連勝を飾るなど、まさに田子ノ浦旋風を巻き起こしていた。悪い予兆が出てきたのは11日目から。高安がこの日初黒星を喫した。その後12日目、13日目と高安がまさかの3連敗をし、来場所の大関挑戦も黄色信号が灯った。

■13日(目)の金曜日 13日目に起こった悲劇は高安の敗戦だけではなかった。稀勢の里も日馬富士に敗れ初日から続いた連勝がストップした。それだけではなく、土俵から落ちた際、左肩付近を怪我し、救急車で運ばれるほどの重傷を負ってしまった。翌日の取り組みも危ぶまれ、天国から地獄に突きつけられたと言っても過言ではない1日となった。

 14日目は稀勢の里が出場するだけで奇跡だった。当日朝、出場する旨が発表されたわけだが、相撲ファンとしては嬉しい気持ち半分、心配な気持ち半分といったところだろう。案の定相撲にならずあっけなく横綱・鶴竜に敗れた。

■15日目の奇跡 まず高安が流れを作った。力強い相撲で関脇・玉鷲を破り稀勢の里へエールを贈った。稀勢の里は弟弟子のエールを「見えない力」に変えていたのだろう。本割、優勝決定戦で照ノ富士を下し優勝をもぎ取った。

 優勝インタビューで口にした「見えない力」は恐らく色々な物が詰まっている。それはまさに「人間力」の高さの表れなのではないかと感じさせられた。兄弟子の勝利に涙する弟弟子、弟弟子の支えに感謝の意を表する兄弟子。二人の絆は見ているものを喜ばせてくれる。

 高い「人間力」を誇る二人の活躍から目が離せない。横綱となったことで弟弟子に自身の強さと地位の重さを示した稀勢の里に対し、「大関昇進」と言う形で応えられるか。

 5月場所の高安から目が離せない!