日本代表FW宇佐美貴史(アウクスブルク)のジョーカー起用はあるか

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 本人にも驚きはあった。FW宇佐美貴史(アウクスブルク)は昨年10月以来の招集。所属クラブで出場機会を得られていない状況で代表に選出されたことには「複雑な気持ちはあった」と率直な胸の内を語った。

「自分自身が選ばれていいのかと思った。その中でも信頼して選んでもらえたことには感謝しているし、こういう状況でも日の丸を背負って戦わせてもらうことは誇りに思う。選ばれてから合宿が始まるまでは複雑な気持ちもあったけど、合宿が始まってからは自分のできることに集中している」

 アウクスブルクではベンチを温める時期が続き、24節終了時点で先発3試合、途中出場5試合。直近4試合はいずれも出番がない。試合勘も不安視されているが、「コンスタントに試合に出ているほうがいい状態で入れるけど、サッカーをすることに変わりはない。自分自身のサッカーをする感覚をブラさなければ大丈夫だと思う」と、自らに言い聞かせるように言った。

 不退転の決意を持って海を渡った、2度目のドイツ挑戦。最初のブンデスリーガ挑戦ではバイエルン、ホッフェンハイムで定位置を確保できず、2年後にG大阪に復帰した。再挑戦も厳しい状況が続くが、「悔しさ、はがゆさは変わらないけど、奮い立たせ方はうまくなっているかなと思う。いい意味で楽観的になれている」と、メンタル面の成長を感じているようだ。

「もちろん焦る気持ちもあるし、いろいろ芽生えてくる感情をなんとかエネルギーに変えていく。テンションが落ちないようにしないといけないと思っていたけど、落ちることも受け入れて、少なからず前進はしているだろうというスタンスでやっている」

 古巣であるG大阪のチームメイトだったMF今野泰幸、MF倉田秋とのうれしい“再会”もあった。しかし、23日のUAE戦(2-0)で攻守に活躍した今野が左第5趾基節骨骨折で離脱。「知らん間にいなくなった。勝ち点3だけもたらして、格好良く帰っていった」と“無言の離脱”を笑ったが、「攻撃的なプレーもできる選手。あらためて今ちゃんの凄さを感じた」と、その頼もしさに目を細めた。

 バヒド・ハリルホジッチ監督はメンバー発表会見で宇佐美について、タイ戦でのジョーカー起用を示唆していた。「保持する時間が長くなって、ボールが入ってくる回数も多くなる。出る場所によるけど、サイドで出るとしたら(マークを)はがしていくプレーを増やして、自分のところで違いをつくりたい」とイメージを膨らませ、持ち味を発揮することを誓った。

(取材・文 佐藤亜希子)


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