顔まわりのお悩みを、人間の身体の構造を学ぶことで解決していくこのシリーズ。前回に引き続き、伊良林鍼灸均整院-AFINA-(アフィナ)の院長、小柳弐魄(こやなぎ・にはく)先生にお話を伺いました。

今回のお悩みは、「おでこのシワ」です。

前回はこちら:「毛穴の開き」には「立毛筋」を刺激

一番「老けた印象」を与えるシワ

乾燥の気になるこの季節に、ふと鏡をみると、見慣れないシワがおでこに……。

ついに出てきてしまったか……とがっくりくること、ありますよね。おでこのシワは、一気に老けた印象を与えてしまうもの。顔まわりにあらわれるシワのなかでも、かなりの強敵と言えます。

「おでこのシワは、年齢によって作られるものだと思っていませんか? しかし、原因は加齢ばかりではありません。身体の“クセ”や“コリ”が原因となっていることも多いのです」

「たとえば、仕事中にパソコンの画面をじっと見つめていると、おでこや眉間についつい力が入ってしまっているということはありませんか? 思い当たるという方は要注意。こうした表情の“クセ”によってもシワは作られ、どんどん皮膚に刻まれていくのです」

さらに、先生が指摘するのは身体の“コリ”。

「自然にできたおでこのシワは、頭皮の“コリ”が原因です。普段はあまり意識しませんが、人間の皮膚は、頭のてっぺんからつま先まで一枚で繋がっているもの。頭皮の“コリ”が重力により下がってくることで、たるみを引き起こします。頭皮がたるめば、必然的にお肌もたるみ、おでこを始めとする顔まわりのシワが生まれるのです」

おでこのシワは、年齢に関係なく作られていくものなんですね。一度できてしまったシワは、適切に対処しなければ、どんどん深く刻み込まれていく一方。数年後に後悔しないように、予防の観点からしても、早めにケアをしておくのが得策と言えそうです。

頭皮マッサージでリフトアップ!

 
では、どのような対策が効果的なのでしょうか。

「おでこのシワには、頭皮のコリを解消することが大切です。頭皮マッサージで刺激を与え、頭皮を引っ張り上げることで、顔のリフトアップ効果が期待できます」

そこで、簡単にできる頭皮のマッサージをご紹介します。

「両の手のひらを大きく開き、指を頭皮に立てます。そのまま、指先に力を込めて頭皮を揉み込むように刺激していきましょう。“痛気持ちいい“と感じるくらいの力で、5分ほどかけて、ゆっくりと揉みほぐしてください」

指先で触れてみると、頭皮が固く凝っていたことに気づきませんか? マッサージを行うことで、凝り固まっていた頭皮が、じんわりと柔らかくほぐれていくのが実感できます。血行促進による育毛効果や、リラックス効果もあるとのこと。頭皮が柔軟になっているお風呂上がりや、就寝前に行うのがオススメです。

「また、足を頭の上まで持ってくるストレッチもおすすめです。足の爪先から、頭の先まで、一枚の皮膚で繋がっています。体の後ろ側をぐーっと伸ばすことで、おでこのシワの改善に繋がるんです」

身体の仕組みを知れば、さまざまな悩みの原因となるクセやコリが発見できます。あとは、その原因をケアして取り除いてあげるだけ。効率的なケアのためにも、あらわれた悩みにだけ注目するのではなく、身体について知ることが大切です。継続することで着実に効果は生まれます。ぜひ試してみてくださいね。

(森江利子/清談社)