タイ戦に向けて会見するバヒド・ハリルホジッチ監督

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 日本代表は27日、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を行い、28日のW杯アジア最終予選・タイ戦に向けて最終調整した。練習前にはバヒド・ハリルホジッチ監督が公式会見に出席した。

以下、ハリルホジッチ監督の会見要旨

●バヒド・ハリルホジッチ監督

「試合が迫ってきた。UAE戦でも素晴らしい試合をした。選手には言った。『この勝利の価値は、次の試合に勝つことで生まれる』と。UAE戦が終わったあとに『次はタイ戦だぞ』と言った。たくさんの人が簡単な試合と思っているかもしれないが、私は逆で、難しい試合になると思っている。ちょっとした気の緩みが受け入れられない結果を招く。(ホームでUAEに敗れた)一戦目のまずい一歩をこれからも我々の野心によって補わないといけない。タイはいいチームなので気を付けないといけない。とにかく勝利を求めている。選手がそれをやらないといけない」

―大迫、今野以外にも選手を入れ替える可能性は?

「大迫と今野の2人の不在は我々に不利に働くと思う。UAE戦のパフォーマンスは素晴らしかった。もちろん、長谷部のケガもある。難しいが、現実を見ないといけない。他のソリューションを見つけないといけない。他の選手にチャンスを与えないといけない。今朝も選手に言ったが、『チャンスがあるなら行動を起こせ』と。競争は常に存在している。選手のモチベーションはさらに上がっている状態だ。チームのために、ケガ人のためにも試合をしないといけないというモチベーションだ。この試合に勝つためのすべての努力をしてくれると期待している」

―UAE戦と違ってホームでの試合になるが?

「選手にモチベーションがなかったら疑問を抱かないといけない。W杯へ門が開いた状態だ。今日(のミーティング)は対話形式というより、自分が選手に向けて発信した。『W杯を手にするかどうかの戦いになる』『UAE戦のあとに気を緩めてしまったらプロとしての失敗だ』と。チームの歴史を彼らが責任を持ってつくっていかないといけない。もちろんスタッフがガイドするし、引き連れるための経験が私にはあるが。明日先発するメンバーは、頭がすっきりした状態で試合に臨むと思う。そして最大限の力を出すと思う。このチャンスを手放してはいけない。埼玉が満員になることも分かっている。ダイナミックな雰囲気作りをサポーターが手助けしてくれると思う。このチャンスは絶対に失敗してはいけない。タイを過小評価してはいけない。クオリティーのあるチームで、すべての試合を見ているが、イラク戦以外のすべての試合でいいプレーをしていた。オーストラリアにも勝ちそうなところまでいった。サウジアラビア戦もUAE戦も素晴らしい試合をしていた。高いモチベーションでハードワークしないといけない」

―大迫と今野の代役は決まっているか? UAE戦のテーマは経験だったが、タイ戦のテーマは?

「もちろん大迫に代わる選手は用意している。アウェーでの勝利が自信、経験をもたらしたと思う。アウェーでこういうふうに勝てば、新たな機運が生まれる。しかし、この勝利で満足してはいけない。続けることが大事。明日、また新たな勝利が生まれて、さらに重要な義務が生まれる。そうすることでチームは成長する。それがW杯につながる。W杯は4年かけて準備しないといけない。私は3年だが、一歩、悪い歩みをしてしまえば、3年の努力が無駄になる。我々は日本サッカー全体の将来も抱えている。数年前、良くない結果が出てしまい、去年から徐々に成功が始まったと言っていい。今のところ、良い結果が生まれている。日本のフットボールのショーウインドーはA代表だ。日本代表がいい結果を出せば、ショーウインドーはより美しくなる。個人的なことだが、私にとって3チーム目のチームとしてW杯に導きたいと思っている。今まで以上にハードワークして臨みたい。ここで失敗するような愚かなことはしないつもりだ」

―ホームで苦労する試合が続いているが、明日の打開策は?

「今までの日本はアウェーでかなり困難なことがあった。オーストラリアでも、UAEでも、勝ったことがなかった。(2次予選初戦の)シンガポール戦(0-0)の悪い試合から始まった。最終予選は一戦目のUAE戦がそうだった。毎回繰り返したくないが、審判の笛もあった。ただ、この悪かった2試合も攻撃の組み立ては良かった。我々が支配していた。決定的なところで仕留められなかった。シンガポール戦は“こんなにビッグチャンスをつくりながらなぜ入らなかったんだろう”という試合だった。UAE戦はまた違った。勝つべき試合で負けてしまった。しかし、チームのプレー内容は良かった。

 タイ戦に向けては2つのソリューションを用意している。ディテールには入りたくないが、何が起こってもおかしくないので、ソリューションは用意しないといけない。プレッシャーに引っかからないようにしないといけないし、自信がない状態もつくらないほうがいい。『頭の中を用意しろ』と今朝も伝えた。プレーするには素晴らしい雰囲気を作ってくれる。『強い気持ちと集中を見せろ』と伝えた。FW陣には『冷静さを保ちなさい』と伝えた。特に『慌てないように』と。できるだけ早く点を取るに越したことはないが、点が入らなくても自信を失ってはいけないし、最後まで冷静にと伝えた。我々のクオリティーに疑問を抱く必要はない。

 みなさん、いろんな質問をしてくれた。(最終予選の)一戦目に負けたら突破できないと言われた。しかし、予選突破候補のところまで来た。気を緩めてはいけない。プレッシャーはさらにかかるが、ハイレベルはこういうもの。重要な試合になればなるほど、プレッシャーははかかる。サッカーはそういうものだ。明日はさらにプレッシャーが上がると思うが、それをコントロールしないといけない。私はプレッシャーが大好きだ。『日本を去るのか』という質問も受けたが、そういう質問も大好きだ。私にどんどんプレッシャーをかけてほしい。ギリギリのラインを超えるようなことを言ってくる人もいたが、私にとってはさらにやる気とモチベーションが上がるだけだ。私の性格をチームに伝えたい。私は勝つのが大好きなので。ただ、私の仲間が全員、こうではない。このグループに愛着がある。選手は素晴らしい人間ばかりだ。ただ、彼らを愛するためだけに来たわけではない。一緒に勝つために来たんだと、いつも言っている」

―明日の先発は決まっているか? 例えば本田のような我々がビックリするような選手はいるか?

「昨日、タクティクスのトレーニングをして、すごい良かった。いろんなソリューションがある。私のことを理解できていないのではないか。11人の先発は決まらない。23人が先発だ。それがこのチームの長所。1人で打開して勝たせる選手はいない。これまでもコレクティブなプレーで勝ってきた。1人で5人抜いて違いを見せて勝った試合はない。このチームの長所はコレクティブということを理解してほしい。そのおかげで今ここにいる。このチームはもっともっと伸びると思う。ただ、ベースはコレクティブ。コレクティブの中に個人の能力は必要だが、このやり方で日本はいい結果を生むと思っている。試合前に各選手が試合中、何をしないといけないかすべて把握している。ゲームプランも個人、組織ですべて説明している。オーストラリア戦もUAE戦もいろんなテストをした。タクティクスをしっかりやってくれた。ゲームプランもしっかりリスペクトしてくれた。歴史上、一回も勝ったことがない地でできた。2試合ともだ。このチームはアウェーでも勝つんだということを見せられたと思う。だから私は楽観的だ。野心がもっと上がるということはすべてがうまくいけば、明日話したい」

(取材・文 西山紘平)


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