3回戦はフルセットまでもつれたが、勝ち上がった錦織圭 マイアミオープン3回戦で、第2シードの錦織圭(ATPランキング4位、3月20日付け、以下同)が、第25シードのフェルナンド・ベルダスコ(30位、スペイン)を、7-6(2)、(5)6-7、6-1で破り6年連続でベスト16入りを決めた。

 ただ、錦織自身ののプレーの波が激しい試合となった。

「長い試合になったので、もちろん彼(ベルダスコ)もいい時と悪い時があった。風もある中で、(ベルダスコの)トップスピンや重いボールになかなか対処できない時もあった。いろんな球種を交ぜられた分、簡単にはポイントを取り切れなかった場面も多かったですね」(錦織)

 ベルダスコの左利きフォアハンドストロークは、ヘビートップスピンがかかっているためコート上で高くバウンドし、ストロークのいい錦織をしてもボールをコントロールするのは容易(たやす)いことではなく、守勢に立たされる場面も多かった。

 第1セットでは錦織が4-1とリードしながら、ベルダスコに4-5と逆転された。第10ゲームをベルダスコのミスによって錦織がブレークバックして追いつき、何とかタイブレークを制してセットを先取した。

「もうちょっと集中力を持続させたかった」と反省した錦織は、第2セットも第3ゲームを先にブレークした。だが、錦織5-3の第9ゲームでマッチポイントを握ったものの、ベルダスコのサービスエースによってこれを逃すと、続くサービングフォアザマッチの第10ゲームで、錦織は5本のストロークミスを犯し、ブレークを許してしまう。さらにタイブレークでも、錦織が一時5-3とリードしながら、自らのストロークミスで逆転され、最後はベルダスコがストロークウィナーを叩き込んでセットオールとした。


 結局、錦織が再び試合の流れを取り戻したのはファイナルセット第4ゲーム。ベルダスコの2本のダブルフォールトにも助けられて、錦織がサービスブレークに成功し、勝利につなげることができた。

「毎試合100点というのも、たぶん難しいと思うので、その中で最後までしっかりファイトして勝てたかな」

 こう振り返った錦織は、リードを奪いながら自らのミスで逆転を許す拙攻が目立ち、今のところまだまだトップコンディションであるとはいえない。

 今年もマイケル・チャンコーチはマイアミに来ていないが、錦織の出場する全大会に帯同しているダンテ・ボッティーニコーチは、ここまで錦織の2017年シーズンを振り返って、決してネガティブになる必要はないと語る。

「今シーズンはいいと思いますよ。(ATPブリスベン大会とブエノスアイレス大会の準優勝2回で)決勝ではたしかに負けたけど、いいプレーはできていました。オーストラリアン(全豪)オープンでは、優勝したロジャー・フェデラーに敗れましたが、とてもいい5セットマッチで、実力は拮抗していました。

 インディアンウェルズもよかったです。まぁ、リオ(1回戦負け)はカウントに入れないことにします。(スポーツでは)いつでも起こり得ることです。たしかに今のところ圭のベストマッチはないかもしれないけど、いいプレーはできています」

「気持ちの面で、いいイメージをもって進みたい」と自らを奮い立たせる錦織は、4回戦でフェデリコ・デルボニス(57位、アルゼンチン)と初対戦する。

 3回戦が終了した時点で、ドローのボトムハーフではシードダウンが相次いでいる。準々決勝で錦織と対戦の可能性があった第7シードのマリン・チリッチ(9位、クロアチア)は2回戦で敗れ、準決勝で当たる可能性のあった第3シードのミロシュ・ラオニッチは、右ハムストリングのケガのため3回戦を棄権した。


 この状況下でダンテ・ボッティーニコーチは、第2シードとしてプレーしている錦織へいつもどおりの期待を寄せている。

「たしかにトップ4シードに入っておけば、強敵と準決勝まで対戦しなくて済むので助けにはなるでしょう。でも、第2シードになったからといって、圭への期待は変わらないし、いつもと同じです。そして1試合1試合ずつです。僕が望むのは、トーナメントを優勝できるというメンタリティーを圭が持つことで、彼ならそれができると思っています」

 もちろん錦織のマスターズ1000大会初制覇への可能性をコーチとして信じている。

「圭のマスターズ初タイトルの可能性はあります。今はどのマスターズ大会でも、いつもチャンスはあると思います。ここマイアミで優勝できればいいですけどね。ここでだめだったら、次のマスターズで狙えばいいのです。いつか達成できればといいと思っています」

 錦織としてはシードダウンが激しい状況を追い風にして、マスターズ1000の初タイトルに近づきたいが、まずは大会後半に向けて、錦織自身の調子をさらに上げていきたいところだ。併せて、テニスのクオリティをレベルアップさせ、強敵に負けない強いメンタルを備えなければいけない。

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