パースで行なわれたチャリティーマッチには、サハ(左から1人目)やヨーク(左から2人目)などスターが集結。そのお祭りムードに水をさしたのが、ギレスピー(右から2人目)だ。 (C)Getty Images

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 2014年4月18日、将来を嘱望されたウェストハムに所属する20歳の若者が、精巣がんのためこの世を去った。オーストラリア出身のディラン・トンビデスだ。
 
 その後、トンビデスの母親が精巣がんの認識を高め、また同じ病気で苦しむ人たちを救うことを目的とする『DT38財団』を設立した。3月25日にオーストラリアのパースで行なわれたのは、同財団の運営資金を集めるための慈善試合。マンチェスター・ユナイテッドOB対オーストラリア代表OBという豪華マッチが実現し、ポール・スコールズ、ドワイト・ヨーク、ブライアン・ロブソン、ルイ・サハ、クイントン・フォーチュンといったスターが駆け付けた。
 
 しかし……。76分、マンUのOBとしてプレーしていたキース・ギレスピーが、お祭りムードに水を差す。0-3と大量リードを奪われイライラが募っていたのか、マークしていた相手DFディーン・ヘファーナンの顔面にエルボーを見舞ったのだ。顎に損傷を負って病院送りとなったヘファーナンは、現地メディアによれば歯を数本失ったという。
 
 言い逃れできなかったのは、そのシーンをTVカメラが捉えていたからだ。試合後、ギレスピーは自身のSNS上で「彼を傷つけるつもりはなかった」と謝罪したものの、非難が殺到したのは言うまでもない。
 
 ニューカッスルやブラックバーンでも活躍した元北アイルランド代表MFのギレスピーは、現役時代にも何度かピッチ上でトラブルを起こしている問題児。相手に殴り掛かって一発退場を言い渡された“前科”がある。引退後はアルコール中毒やギャンブル依存に悩まされていた。
 
 42歳になった現在も、血の気の多い性格はまったく変わっていないようだ。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部