饒舌ぶりが戻ってきたバヒド・ハリルホジッチ監督

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 就任当初の饒舌ぶりが戻ってきた。日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は28日のW杯アジア最終予選・タイ戦(埼玉)を翌日に控えた公式会見で時折、笑みをたたえ、ジョークもまじえて熱弁を振るった。

「みなさん、いろんな質問をしてくれた」。昨年9月1日にホームで行われた最終予選初戦でUAEに1-2で敗れると、その後の記者会見では厳しい質問を浴びることもあった。「言い訳にしか聞こえない」「UAE戦と同じ結果になった場合、けじめを取ってくれるのか?」。メディアの追及に「皮肉な冗談だ」「笑えない質問もあった」と気色ばみ、ピリピリした雰囲気が会見場を包んだが、その後の結果で見返し、指揮官の対応にも余裕が出てきた。

「(最終予選の)一戦目に負けたら突破できないと言われた。しかし、予選突破候補のところまで来た」。現行の予選方式となった98年フランスW杯以降、過去5大会のアジア最終予選で初戦が黒星だったチームはすべて予選敗退に終わっている。データだけを見れば“W杯出場確率0%”という黒星スタートからの巻き返しに、指揮官は胸を張る。

「私はプレッシャーが大好きだ。『日本を去るのか』という質問も受けたが、そういう質問も大好きだ。私にどんどんプレッシャーをかけてほしい。ギリギリのラインを超えるようなことを言ってくる人もいたが、私にとってはさらにやる気とモチベーションが上がるだけだ」。報道陣への皮肉も忘れなかった。

 チームに対する信頼も上機嫌につながっているようだ。「このグループに愛着がある。選手は素晴らしい人間ばかりだ。ただ、彼らを愛するためだけに来たわけではない。一緒に勝つために来たんだと、いつも言っている」。初戦黒星のあとは敵地でタイに勝利し、ホームではイラク、サウジアラビアを破った。W杯予選のアウェー戦は過去未勝利のオーストラリアとは1-1ドロー。やはり敵地で勝ったことのなかったUAEには2-0で快勝した。

「今までの日本はアウェーでかなり困難なことがあった。オーストラリアでも、UAEでも、勝ったことがなかった」。その中で着実に勝ち点を積み上げ、「歴史上、一回も勝ったことがない地でできた。2試合ともだ。このチームはアウェーでも勝つんだということを見せられたと思う」と強調(オーストラリアとは引き分け)。「だから私は楽観的だ」と、チームへの揺るぎない自信を口にした。

(取材・文 西山紘平)


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