公式サイト「辻元清美WEB」より

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 安倍昭恵夫人に代わって「総理大臣夫人付」という役職である谷査恵子氏が財務省に国有地の土地取引に関して問い合わせしFAXで回答を得ていた問題。これは国有地払い下げの取引に昭恵夫人が関わっていたという何よりもの証拠だが、これに対し、安倍首相を筆頭に官邸サイドも「ゼロ回答だから問題なし」と言い張ることに必死だ。

 しかも、安倍首相応援団たるネトウヨや自民党のネトサポらは、問題をすり替えるべく、ネット上でこんな陰謀論を展開し始めた。それは「民進党の辻元清美のスパイ工作疑惑」である。

 事の発端は、先週金曜日に公開された籠池理事長夫人と昭恵夫人がやりとりしていたというメール文章だ。そのなかで、籠池夫人は3月1日にこんなことを昭恵夫人に訴えかけていた。

〈辻元清美が幼稚園に侵入しかけ 私達を怒らせようとしました嘘の証言した男は辻元と仲良しの関西生コンの人間でした。さしむけたようです。〉
〈孫請業者の作業員がその委託社長がしてないといったのにもかかわらず、その三日だけきた作業員が辻元清美が潜らせた関西なんとか連合に入っている人間らしいです。作業員はわからないくせにマスコミにいわしていたそうです。〉
〈下請け業者の社長は現場もマスコミに写し全くうめてないことをしっていて三日だけきた作業員を辻元清美は送り込みました。辻元清美生コンをみればある関西こうえき連合の人間をマスコミに出し社長の言い分はのせなかったそうです。国会議員の犯罪じゃないですか。〉

 何を主張しているのかわかりづらい文章だが、つまり籠池夫人は、辻元議員が塚本幼稚園に侵入しようとしたこと、さらに辻元議員が関係者を小学校建設にかかわる作業員として"潜入"させ、その人物にマスコミに証言させたと言いたいらしい。

 こうした主張に対し、辻元議員は「全くの事実無根」「(籠池夫人が)ネット上で流された根も葉もないうわさを信じたためと思われる」と反論。メディアに対しても「誤った内容を拡散しないよう強く求めます」としたが、実際に毎日新聞は同日のメール公開に際して辻元議員に言及されている部分を削除していた。

 だが、この毎日新聞の対応にネット上では「辻元の犯罪を隠蔽した!」との声が噴出し、ネトウヨらは、以前から流れていた辻元議員が連帯労組関西地区生コン支部委員長だった人物から選挙でカンパを受けていたとする「月刊宝島」(宝島社)2010年1・2月号の記事を拡散することで「やっぱり辻元は作業員を送り込んでいた!」と主張。挙げ句、"残土搬出していた土木会社の社長が自殺した"というジャーナリストの田中龍作氏のツイートが曲解され、現在は「辻元が送り込んだ作業員が自殺した」「労組ということは北朝鮮が後ろで糸を引いている証拠だ」というかたちで流布されている状態だ。

 なぜ土の搬出をしていた作業員が生コン関係者になるのか、さっぱり意味がわからないが、問題をすり替えて野党批判に精を出すのはネトウヨの芸当。たいして驚きはないが、しかし問題は、このバカバカしいにも程があるネトウヨ情報に、官邸の息がかかった御用ジャーナリストや自民党、日本維新の
会の議員たちが乗っかっているということだ。

 現に今朝放送された『とくダネ!』(フジテレビ)では、この間、徹底して安倍首相と昭恵夫人を擁護してきた山口敬之が、「非常に興味深いのは、あの、ふたつ籠池さんの奥さんの諄子さんが言っているのは、辻元さんが敷地に入ろうとしたということと、もっと重たいのは、建設現場に知り合いの作業員をスパイとして入れてマスコミ対応をさせたということを、ま、そういう疑惑があるんですね」と紹介。こんなことまで言い出したのだ。

「昭恵さんは100万円渡していませんという悪魔の証明に与党側は苦労してるところなんだけど、今度は野党側の辻元さんはそういうことをしてないという証明しなきゃいけないんですね。そうすると悪魔の証明のどうしガチンコになると、もう泥仕合というか、じゃあお宅も証人喚問応じなさいよ、ということで、多少のカードを自民党側は得たという意識でいるんですね」

 いま、昭恵夫人が問題になっているのは、自分の秘書である役人を使って財務省に掛け合うという国有地の取引に直接かかわっていた疑惑だ。昭恵夫人がかかわることで財務省が忖度した可能性は高く、昭恵夫人が証人喚問に値するのは当然だ。だが、山口はネトウヨが騒いでいる妄想陰謀論をもち出し"辻元議員の疑惑"などと言い募り、あげく「辻元議員にも証人喚問が必要だ」と言うのである。

 それに、今回辻元議員は事実無根と否定したが、もし仮に野党なりメディアなりが、真相を究明するために現場に作業員を送り込んだとして、それの一体何が問題なのか。不正を暴くために潜入調査をするのは当然の行為だ。そのことと、国有地取引に昭恵夫人が関与していたという不正とを、山口は「同列の問題」として扱っているのである。

 その上、山口は続いてこんなことまで話していた。

「まあちょっとレベルは低いんですけど、悪魔の証明どうしっていったらね、これ国民はついていかないと思いますが。でも、(強調して)そもそもがその程度の話ですから、まあ、僕らがね冷めた目で見てるのが一番なんだと思いますけどね」

 ようするに、山口の目的は、辻元議員のネトウヨレベルの妄想陰謀論をもち出すことで昭恵夫人の問題も一緒くたにし「レベルは低い」「その程度の話」と矮小化しようとすることなのだ。

 まったく「レベルが低い」のはお前の頭ではないかと呆れかえるが、さすがにこの詭弁には、司会の小倉智昭も「ただ、『そもそもがその程度の話』と言われても、最初はそう思っていましたが、安倍さんが『私たちが関わっているんだったら辞めますよ』と言ったことによってここまで大きくなっちゃったわけなんで」と山口にツッコミを入れていたほどだ。

 しかし、この山口の無理にもほどがある解説こそ、官邸側の逃げ切り作戦のひとつなのは間違いない。こんなネトウヨの言説を、本気で自民党は「カード」に仕立てようとし、御用ジャーナリストに垂れ流させているのだ。

 しかも、こうしたネトウヨ的なやり口で問題を誤魔化そうとしているのは、山口だけではない。

 たとえば産経新聞は、辻元議員が「幼稚園に侵入」しようとしたという籠池夫人の主張に対し辻元議員が事実に反すると反論したことを伝えるニュースにおいて、辻元議員が小学校建設予定地の視察を行った際の写真をセットにして報道。その写真は辻元議員が小学校建設予定地の入口すぐ近くでスマートフォンを構えて撮影している場面なのだが、記事とセットで見ると、まるで辻元議員が幼稚園の前でそれを行っているようにも思えるもの。実際、ネトウヨは幼稚園での写真でもないのに「やっぱり辻元は侵入しようとしているじゃないか!」「これが証拠写真だ!」と吹き上がっている。

 また、現在、火の粉を振り払うのに必死の松井一郎・大阪府知事も、昨日行われた会見で、「安倍首相は忖度があったことを認めるべき」「いい忖度と悪い忖度がある」などと語ったが、その際、「悪い忖度」の例として辻元の一件を挙げ、「まさに民進党の忖度じゃないですか」とメディアを批判。辻元議員が明確に抗議を出したわけで、「忖度」でも何でもないのだが、松井府知事もまた辻元議員の問題によって自身の疑惑を小さく見せようとするのだ。

 さらに、維新の足立康史議員は、25日に行った街頭演説において「森友学園問題はたいした問題じゃないと思っていたが、メールのやりとりが公開されてわかったことは、これは辻元清美のヤラセだったんですよ!」とスピーチ。一体、なにがヤラセなのか意味不明だが、足立議員といえば籠池理事長の息子がブログで「私設秘書」をしていたと記していた重要人物であり、足立議員は「雇用契約が1日でもあれば議員辞職する」と宣言までしていた。しかし、26日に出演した『新報道2001』(フジテレビ)では、「じつは私もね、籠池さんの次男坊と知り合いなんですよ。最初に周りから聞かれたときに『知らない』と答えちゃいました。それはね、そう言いたくなる感じがあるんです」などと"弁明"しはじめたのだ。つまり、自身と籠池理事長とのつながりを火消しするために、「辻元清美のヤラセ」とでっち上げているにすぎないのだ。

 さらに、自民党の三原じゅん子議員も、辻元議員が籠池夫人のメール文書で書かれている作業員スパイ説を否定したことを伝えるニュース記事をリツイートした際に〈という事は、籠池夫人が嘘を付いてるという事を認めたという事?〉などとコメント。辻元議員は自身に関する記述を否定しただけだが、あたかも"籠池証言を全否定している"のだとネトウヨたちと同じ論理展開をして見せた。

 何度も言うが、問題の本質は「国有地が異常な価格で払い下げられたこと」と「小学校認可が下りたこと」であって、辻元議員をめぐる陰謀論は何の関係もないことだ。今後、ネトウヨと一体化して官邸もなりふり構わずこの問題をもち出す算段なのだろうが、まったく下劣としか言いようがないだろう。