商品・店舗・サービスに変化 米スーパー業界の4大トレンド

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食料雑貨店の業界で、その根本が揺らぐような変化が起きている。それにより、顧客の買い物体験はより良いものになると見られている。

しかしそれは、小売各社にとってはあまり魅力的な変化とは言えず、中にはこの変化を乗り切ることができない企業もあるだろう。その一連の変化とは、以下のとおりだ。

顧客がより健康志向に

より健康的な食生活を好む傾向が、食料品小売業界に変化を起こしている。生鮮食品や調理済み食品、オーガニック食品や人工的な香料・材料を「含まない」食品が、より重視されるようになり、こうした”クリーンな”食習慣が今や、アメリカ全域に広まっている。

小売大手のクローガーやウォルマートらがこれらカテゴリーの取り扱いを増やしたことにより、ヘルシーな自然食品が以前よりも入手しやすくなり、手ごろな価格となった。その影響を受けたのはホールフーズだ。いわゆる”オーガニック食品”分野を強みとしていた同社は、競合の参入により6期連続で売り上げが減少している。

アマゾンvsウォルマート

ウォルマートは米国内最大手の小売企業だ。市場調査会社ユーロモニターによれば、CVSヘルスとクローガーがその後に続き、アマゾンは4位につけている。そのアマゾンがウォルマートに勝つには「ファッションと食料品の部門を勝ち取る必要がある。アマゾンは確実に、食料品部門を狙っている」と、ユーロモニター小売部門のミシェル・グラントは言う。

食料品のオンライン通販(生鮮食品もパッケージ食品も)は、まだ始まったばかりのトレンドだが両社とも試験的に取り組んでいる。

アマゾンでは生鮮食品の配送サービス、アマゾンフレッシュを数多くの主要市場で展開中。ウォルマートも2011年から、オンラインで注文した食料品を指定場所でピックアップできるサービスを開始した。これらのサービスはいずれも急成長を遂げており、こうした取り組みが業界全体に影響を及ぼすだろう。

海外スーパーの影響

現在アメリカ進出に向けて準備をしているドイツのディスカウントスーパー、リドル(Lidl)は、上陸前から既に米食料品小売業に変化を起こしている。

リドルの競合には、同じくドイツのアルディがあり、ともにかなりの値引きを行っている。両社は欧州で激しい競争を展開しており、アメリカでも同様に競争が激化しそうだ(アルディは米国進出済み)。しかし両社の魅力は、値引きだけにとどまらない。リドルもアルディもプライベートブランドをメインに展開し、独特なインストア体験を提供する努力をしている。

リドルのアメリカでの店舗計画は、アルディに変革を余儀なくさせている。アルディは16億ドル(約1787億円)を投じて米国内1300店を改装し、生鮮食品やオーガニック食品の取り扱いを増強。新たなロゴも採用する計画だ。

従来のアメリカ小売各社もその影響を受け、店舗の改装や品揃えの改良、競争的な価格設定、新鮮な食材の提供などに力を入れている。

さらに進む統合の動き

こうした各食料品店各社の取り組みにより、そのほかの独立系、あるいは地域密着型の小売業者間での統合はさらに進むだろう。ユーロモニターによれば、米国内の食料品店のうち独立系の店舗はわずか36.9%。「これらの店舗は破たんするか買収されるだろう。このスケールの競争には太刀打ちできない」とグラントは言う。

このように業界に起きている全てのことが、消費者に大きな変化をもたらす。中にはお気に入りのスーパーマーケットを失う人もいるだろう。一方で多くの人は、行きつけのスーパーで新たな販売コーナーやサービス、商品を求められるようになり、購入した商品を自宅配送してくれる新たなテクノロジーを利用する人も多いだろう。

一連の改革がどのような変化につながるのかは未知数だが、一つ確かなことがある。食料品店はこれから、どんどん面白くなるだろうということだ。