昨年9月のタイ戦ではゴールを奪っている浅野。良いイメージを持って試合に臨めそうだ。写真:徳原隆元

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 3月28日のタイ戦に向けた、大きなポイントのひとつがCFの起用法だ。3月23日のUAE戦で圧巻のパフォーマンスを見せた大迫勇也は怪我で代表から離脱。その代役に誰を据えるかによって、試合の展開は大きく変わってくるはずだ。
 
 岡崎慎司や小林悠、そして昨年10月のオーストラリア戦でCFで先発した本田圭佑らの起用が考えられるが、浅野拓磨にチャンスが巡ってくる可能性は十分にあるだろう。この快足FWは2-0で勝利した前回の対戦(16年9月6日)で貴重な追加点を奪っている。
 
 タイは勝点1でグループBの最下位に沈むなど今予選では苦戦が続いているが、浅野は警戒心を口にする。
 
「技術のあるチームで、十分に力は持っている。自由にやらせたら危険だし、ナメてかかったら喰われる。そういう意識を監督を含めてチーム全体で持ちながら、試合に望みたいと思います」
 
 前回の対戦では、敵DFラインの背後に抜け出す得意の形でネットを揺らした。タイが高い位置からプレスをかけてくるシチュエーションになれば、「自分が活きる」と自信を覗かせる。
 
「相手が前に出て来てくれれば、僕の特長は活かしやすい。どういう展開になるかは始まってみないとわかりませんが、準備だけはしっかりしたいと思います」
 
 昨年8月に移籍したシュツットガルトではウイングやインサイドハーフを経験し、プレーの幅を広げた。磨かれたのは足下の技術だけでなく、持ち味であるボールを引き出す動きもより質が高まった印象だ。
 
「チャンスをもらえれば、成長した自分の姿を見せたい」
 
 タイ戦に向けて、そう意気込む“ジャガー”の奮起に期待したい。
 
取材・文:高橋泰裕(ワールドサッカーダイジェスト編集部)