アジア州は「小売」、ヨーロッパ州は「宿泊」が最も構成比が高い

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 内閣府 地方創生推進室が作成した地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」から、「商圏」や「人口」、「消費行動」に関わるグラフ/数字を紹介する。

 2014年10月の免税対象品目の制限撤廃を機に、2015年は買い物目的で日本を訪れる中国人が増え、東京都心のデパートや家電量販店では、高額商品やブランド商品が飛ぶように売れた。具体的には、10万円超の炊飯器や理美容家電、有名日本メーカーの化粧品などだ。日用品や消耗品の大量購入も目立ち、薬局では、中国で人気のメーカーのオムツが消えた。

●データが裏打ちする「爆買い」の2015年



 こうした訪日中国人による活発な購入行動は「爆買い」と呼ばれた。ワールドワイド・ジャパンのカードデータに基づき、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が作成した、エリア別(国籍別)・都道府県別の「外国人消費の構造(クレジットカード)」によると、銀座や秋葉原など、「爆買い」の中心地・東京都の14年の中国人の消費金額は総額約1212億円、翌15年は前年比223.3%の約2707億円だった。

 部門別消費額は、14年は、一般のデパート(24.9%)、宿泊施設(17.6%)、ファッション小売(13.4%)、家電小売(6.6%)の順だったが、15年は、デパート(24.9%)、宿泊施設(14.8%)に次ぎ、家電小売が3位に浮上し、シェアは10.7%と、1割を超えた。

 国は、「2020年、訪日外国人旅行者4000万人」とする新たな観光ビジョンの目標を掲げ、受け入れ環境の整備を進めている。また、重点ターゲットとして欧米豪の富裕層を挙げている。

 ただ、エリアごとの部門別消費額によると、中国を含むアジア州、北アメリカ州、南アメリカ州は、家電小売やデパートなどを合わせた「小売」の比率が最も高く、アジア州では全体の約6割を占める。一方、ヨーロッパ州は、「小売」より「宿泊施設」の比率のほうが高く、北アメリカ州も「小売」の比率は低めだ。

 周知の通り、2016年は中国人による「爆買い」は消えた。ツアーによる団体客は減り、個人の旅行客が増え、「買い物」から地方の文化などを楽しむ「体験」に軸がシフトしている。そういう意味でも、アジア州の旅行客の今後を予測する上で、ヨーロッパ州や北アメリカ州の数値は参考になるはずだ。(BCN・嵯峨野 芙美)

■地域経済分析システム「RESAS」

 「RESAS」は、国の統計資料を中心に、民間の調査データも含めた膨大な量のデータを「見える化」して、課題解決を手助けするツール。都道府県/市町村単位で集計でき、全国や他の自治体の数値と簡単に比較できる。対応ブラウザはGoogle Chrome。