Inc.:専門家たちも認めるとおり、今コワーキングがブームです。会社のオフィス(フリーランスなら近所のコーヒーショップ)で働く代わりに、さまざまな職種の人たちとの共有するスペースで働くという発想はまだまだ新しいものですが、定着しつつあるのはたしかです。

独立ワーカーやリモートワーカーが増えたおかげで、コワーキングのアイデアを受け入れる大企業も増え、過去5年で、世界中のコワーキングスペースが1,000カ所から11,000カ所に増えました。

この増加は、ムーブメント全体としては喜ばしいことですが、参加を考えている個人や、スペースを提供する企業にとっては、頭痛の種にもなっています。そんななか、両者の問題を一度に解決するあたらしいツールが誕生しました。

コワーキングを始める人のお試しコース


独立系コワーキングスペースのオーナーにとって、業界の急拡大は、痛し痒しの状況です。認知度が高まるにつれ、潜在顧客は増えましたが、コワーキングへの関心の高まりは、RegusやWeWorkといった大手の競合の参入をも招きました。巨大企業がライバルとなれば、小規模の独立系スペースのオーナーは、苦しい状況に追いやられることが予想されます。

コワーキングを始めたばかりの人にとっては、選択肢が急増したのは明らかによいことでしょう。しかし、これから始めようとしている人は、大小さまざまな選択肢のなかからどう選んでよいかわからないと思います。ぜいたくな悩みですが、悩みは悩みです。

そんな中、Deskpassと呼ばれる画期的なサービスが米国で登場しました。シカゴと、ロサンゼルス、デンバーで(オースティンなどでも近々)事業展開を始めたこの会社は、コワーキングの世界に足を踏み入れようと思っている人たちに魅力的な選択肢を提供しています。特定のコワーキングスペースが自分のライフスタイルや好みに合っているのか(あまり)わからない状態で、特定のスペースに申し込むのがいやだという悩みに応えているのです。

Deskpassは、80以上の独立系スペースと提携し、会員は、どこでも好きなところを利用できるというシステムです。毎月の利用回数は、選ぶプランによって異なります(たとえば、49ドルで4回、199ドルで平日無制限利用)。Deskpass のターゲット層は、ITに詳しいミレニアルやデジタルノマドだけではありません。大手企業が自社社員のために同社のメンバーシップを購入するケースも増えているというのです。

コワーキングを始める、より多くの人が、そうした働き方を試し、自分がどんなスペースや特典内容を必要としているかを見極めるためのお試しコースとして利用してもらいたい――それが同社の趣旨です。それで、ユーザーにとってコワーキングが不可欠となれば、同社にとってはしめたものです。

「利用スペースを一元客として探すのと違い、うちのユーザーは、毎月会費を払っている会員です。それでいて、あるスペースを単発利用することもできるのです。メンバーは、1つのスペースと契約するのではなく、80以上のスペースと契約しているのです」と共同創設者のSam Rosen氏はEメールで説明してくれました。

このように、コワーキングの新規利用者が発掘されるのは、スペースのオーナーにとっても、当然ながらよいことです。特に、最近混雑してきた市場の中で埋もれてしまう可能性がある独立系の事業者は、このDeskpassと提携することで認知度が上がるでしょう。「小規模の独立系スペースが、従来のマーケティング手法で競争するのは大変です。狡猾なマーケターで資本力もある大手と戦わなければならなくなったのですから。Deskpassは新規顧客の優れた獲得チャンネルです」とRosen氏は付け加えています。


Thinking About Trying Coworking? Test Out the Idea With "Classpass for Coworking"|Inc.com

Jessica Stillman(訳:和田美樹)
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