Appleが中国のスマートフォンメーカーに「デザインが酷似している」として知的財産権侵害を申し立てられ、中国の知財当局にiPhone 6の販売停止命令を下されました。しかし、この知財紛争は最終的に、「iPhone 6にデザインの類似は認められず、知的財産権は侵害されていない」という判断が下され、晴れてiPhone 6の北京での販売が再開されることになりました。しかし、終わり良ければすべてよし、とはとうてい言えず、この件は中国市場での販売リスクをまざまざと見せつけた形になりそうです。

Chinese Court Overturns iPhone 6 Patent Ruling in Apple's Favor - Mac Rumors

https://www.macrumors.com/2017/03/25/beijing-iphone-patent-ruling-apple-wins/

2016年6月に中国の佰利公司が販売するスマートフォン「100C」とiPhone 6のデザインが酷似しているとして、AppleがiPhone 6シリーズの販売差止命令を受け、中国の首都・北京でiPhone 6シリーズの販売にストップをかけられた事件については、以下の記事で説明しています。

iPhoneがデザインをパクったとして中国で販売停止になる可能性 - GIGAZINE



北京の控訴仲裁裁判所は、「消費者は100CとiPhone 6の違いを容易に区別することができる」と認め、Appleが佰利公司の知的財産権を侵害しないと判断して、北京市内での販売差止命令を取り消しました。これで、Appleは北京でiPhone 6シリーズの販売を再開できることになりました。この事件では、そもそもデザイン上の類似性が認められるのか、認められるとしてAppleが違法に複製したと言えるのかについて議論がありましたが、大方の予想通り「Appleはシロ」という判断が下されたというわけです。



終局的な判決を求める訴訟が終わるまでに、知財当局は知的財産権侵害を迅速に停止させるために販売中止命令を出すことができます。このため、Appleとしては知的財産権侵害を訴えられて販売を差止められると、時間をかけて訴訟で反論していくしかなく、今回の事件のように後に主張が認められた場合でも、スマートフォンという毎年のように新商品が出される端末について言えば、販売停止命令を下されていた期間に商機を逸してしまい、訴訟での勝利自体が意味をなさなくなる場合もあり得ます。ちなみにAppleを訴えた佰利公司の経営状態は極めて悪く、Appleが損害賠償請求を起こしても、事実上損害が回復されることがない可能性が指摘されています。

巨大な中国市場でスマートフォンなどの商品を販売するには、中国市場特有の「事情」に付き合うことは避けられず、販売メーカーは予測困難なリスクと常に向き合うことを求められていそうです。