飼い犬に恵まれず?(写真:Yonhap/AP/アフロ)

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 韓国の憲法裁判所で罷免宣告を受けて失職した朴槿恵前大統領。親友・崔順実被告の起こした国政介入事件に絡む複数の容疑の取り調べのため、検察に出頭したが、思わぬところでさらなる“追及”を受けている。

 3月12日に大統領公邸を退去した際、愛犬9匹を置き去りにしたことが批判に晒され、翌13日に動物愛護団体が朴氏を動物保護法違反で告発したのである。韓国問題に詳しいジャーナリスト・前川惠司氏が語る。

「9匹のうち2匹は2013年2月の大統領就任時に地元市民が朴氏にプレゼントしたつがいで、7匹はその子供。珍島犬という韓国原産の犬種で、秋田犬に似ていますがそれほど大きくならず真っ白なのが特徴です。朴氏は在任時、犬たちと一緒にいる写真を公開するなどしてイメージアップを図っていました」

 批判を受けて青瓦台(大統領府)は「珍島犬血統保存協会が犬たちを引き取る」と発表したが、愛護団体の追及はやまず、団体のHPには17日、「血統保存協会に渡すのではなく、愛情ある飼い主を探して譲り渡すべき」と主張する政府批判の文書が公開された。朴氏の犬を引き取った珍島犬保存協会を直撃すると、こう答えた。

「朴前大統領は犬を捨てたわけではなく、我々がお預かりした状態という認識だ。あのような状態にあるなかで、犬を自宅に連れて帰って育てるのは難しい。珍島犬の育て方のノウハウを熟知した私たちがお預かりするのは当然のこと」

 たしかに今後、朴氏が逮捕されるようなことがあれば自宅で世話はできない。

「現実的には青瓦台に残していくしかなかったと思いますが、“朴槿恵批判に使えるならどんな話でも使う”という今の韓国世論の空気をよく表わしている話だと思います。

 とくに、批判の急先鋒に立っている動物愛護団体が『釜山動物虐待防止連合』であることと、次期大統領候補として支持率トップの文在寅の地元が釜山であることには、何らかの関係があるとしか思えません」(前出・前川氏)

 罪のない飼い犬まで政争の具にされたのだろうか。やはり彼の国の権力闘争は本当に恐ろしい。

※週刊ポスト2017年4月7日号