正式に公言されているわけではないが、ジャニーズメンバーは舞台やミュージカルをメインに行なう“舞台班”と、ドラマ・映画・バラエティなどに積極的に出演する“テレビ班”とに大きく分けられるという。たとえば、舞台班はKinKi Kids堂本光一、V6坂本昌行、タッキー&翼、A.B.C-Z、テレビ班は嵐、関ジャニ∞、KAT-TUN、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2などが挙げられる。しかし、舞台班もテレビ班も、新人もベテランも関係なく、共通して行なう仕事がある。“舞台演劇”である。3月15日には、Kis-My-Ft2北山宏光が舞台『あんちゃん』で主演を務めることが発表された。北山にとって舞台は2015年に出演した『滝沢歌舞伎 10th Anniversary』以来で、劇中歌を含まない“ストレートプレイ”は初挑戦となることもあり、話題を呼んでいる。

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 北山は、Kis-My-Ft2の中でMCを勤めている司会進行役だ。さらに、グループ内で磨いた“トーク力”と共演者とすぐに仲良くなってしまう“コミュニケーション力”を発揮し、バラエティ番組に欠かせない存在となりつつある。バラエティでの存在感たるや、一部では「ポスト・中居正広」ともささやかれているほどだ。実際、『キスマイ BUSAIKU!?』(フジテレビ系)や『キスマイレージ』(テレビ朝日系)では進行役を勤め、ソロレギュラーの『世界の日本人妻は見た!』(TBS系)ではロケ進行で手腕を発揮し、確実にキャリアを積んでいる。

 『あんちゃん』は、そんな北山にとって久々の演技の仕事だ。バラエティのイメージが強い北山だが、実は演技においてもしっかりと評価を獲得してきている。北山の演技に大きく注目が集まったのは2014年の『家族狩り』(TBS系)だろう。北山は、伊藤淳史演じる巣藤浚介の元教え子役・鈴木渓徳を好演。不良上がりの役のため、チャラチャラしたキャラクターだったが、同時に親しみやすさを感じさせ、これが実にはまり役だった。かなりドロドロしたストーリーの中で、北山が演じた渓徳は唯一のオアシスのような存在。本人もインタビューで「視聴者のみなさんの息抜きになればいいなと思います。(中略)僕としてはみなさんが“ほっこり”できる位置にいられたら嬉しいです」(引用:『家族狩り』公式サイト)とコメントしており、植田博樹プロデューサーからも“陽だまりの人”という評価を得ていた。つまり、北山は自身で狙ったとおりの演技ができ、評価されたというわけだ。

 続いて2015年には『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(フジテレビ系)にて、ドラマオリジナルキャラクター・速水翔役を演じている。これまで演じてきた役とは違い、シリアスな表情や、やや嫌味な台詞回しが特徴の役だ。普段の北山の姿とも異なる役であったが、違和感なく演じていたのは見事であった。結果、視聴者からの支持も集まり、キーマンとして作品に華を添えていた。

 今回出演する『あんちゃん』は、幼い頃に自分と家族を捨てた父を憎んで生きてきた青年が父と再会し、出ていった本当の理由を知ったことから青年の家族への思いが揺れ動くというストーリー。ストレートプレイだけに、心情の変化をどう表現していくのかに注目が集まりそうだ。北山の強みは、これまで培ってきたキャラクターも仕事のスキルも全て役に反映させられる点だろう。『あんちゃん』ではどんな姿を見せてくれるのか。北山の変化を目に焼き付けたい。(高橋梓)