【コラム】チーム力底上げのために…ドイツで経験積んだ浅野、タイ相手に2戦連発なるか

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 長谷部誠(フランクフルト)に続き、今野泰幸(ガンバ大阪)、大迫勇也(ケルン)、高萩洋次郎(FC東京)が離脱し、戦力的に厳しくなった日本代表。それでも23日の敵地・UAE戦勝利をムダにしないために、28日の次戦・タイ戦(埼玉)は連勝が必要不可欠だ。2018 FIFAワールドカップロシア出場にまた一歩近づくために、B組最下位の相手に足元をすくわれることだけは許されない。

 この重要な一戦に向け、日本代表は26日、試合会場となる埼玉スタジアムで非公開練習を実施。タイ戦に向けた対策を入念に確認した。この日は気温の高かったUAEとは打って変わって最高気温8度の冷たい雨という悪天候となったが、前日合流した小林悠(川崎フロンターレ)、遠藤航(浦和レッズ)を含む24人の選手たちは真剣なまなざしで調整を行った。

 UAE戦で見事なポストプレーを見せ、チームの攻撃全体を落ち着かせた大迫がいなくなるため、今回は誰を1トップに起用するかが大いに注目されるところ。通常なら岡崎慎司(レスター)が代役筆頭だが、倉田秋(G大阪)が「相手は結構引いてくると(ミーティングで)言っていた」と言い、香川真司(ドルトムント)も「次の試合は全く逆。僕たちがボールを保持した中でどう戦うかという意味では全く違った戦いになる」と語ったように、タイが強固なブロックを作ってくる可能性が高い。となると、前線には高さのある選手が必要だ。その場合は本田圭佑(ミラン)、小林あたりがスタメンに浮上するかもしれない。

 ただ、目下、勝ち点1のタイはこの試合で引き分け以下だとロシア行きの望みが完全に断たれる。となれば、リスクを冒して前に出てくる時間帯があるのは間違いない。その時は抜群のスピードを誇る浅野拓磨(シュトゥットガルト)が有効なピースになってくる。実際、昨年9月のアウェイ戦(バンコク)で先発出場した時も、相手が引いた前半から後半途中にかけてはかなり苦労していたが、最終的に長谷部がディフェンスラインの裏に送った浮き球に反応。持ち前の推進力を発揮して首尾よく2点目を奪い、日本の勝利を決定づける重要な働きを見せた。

「前回、全然スペースがない中で最後に裏を取って点が取れた。チームとしてもその意識を常に持てたので、そんなにスペースがなかったとしても、自分の特徴をしっかり生かせればゴールには近づける。相手が前から来てくれれば、より僕の特徴が生きると思います」と浅野は前回の白星再現に大きな自信をのぞかせた。

 あれから半年以上の時間が経過し、ドイツでの経験値も高まってきた。浅野がシュトゥットガルトに本格合流したのは、アウェイ・タイ戦の直後。9月9日のブンデスリーガ2部・ハイデンハイム戦で欧州デビューを飾り、現時点で21試合に出場している。ゴールは10月30日のカールスルーエ戦、11月28日のニュルンベルク戦で挙げた2点にとどまっているが、最前線に加えて左右のアウトサイド、インサイドハーフと多彩な役割で使われるおり、プレーの幅は目に見えて広がっている。

「自分は代表では右で出ることが多いですけど、クラブではサイドやインサイドハーフもやっています。前線のどこでもやれるとアピールできれば使いやすい選手になれるのかなと。『融通の利く選手』もチームには大事。どこで出ても自分の特徴を出せれば、試合に出られる可能性も高くなると思います」

「(シュトゥットガルトのハネス・ヴォルフ)監督も僕に『フィニッシャーだけじゃなく、中盤で受けてパスでゴールに結びつける仕事もできる』と言ってくれるし、そこも求められている。日本にいた頃はあまりその部分は意識したことがなくて、動き出しの部分ばかりを高めてきていましたけど、ドイツに来てそういったところも変化していると感じます」