衣装が『シャイニング』のロイド風!(『パッセンジャー』より)

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 映画『フロスト×ニクソン』のフロスト役や『クィーン』でのブレア首相役といった実在の人物から、『アンダーワールド』シリーズの狼男や『トワイライト』シリーズの吸血鬼まで、あらゆる役を常に真実味を持って演じてきたマイケル・シーンが、クリス・プラットとジェニファー・ローレンスという二大スターが初共演したSF大作『パッセンジャー』でロボット役に挑んだことや、名作ホラー『シャイニング』へのオマージュについてなどを語った。

 他の惑星に移住するため、冬眠状態の5千人を乗せた宇宙船で、予定より90年も早く目覚めてしまった男女を描いた本作。マイケルは、下半身がメカで、上半身だけ人間の姿をしたバーテンダーのロボット、アーサーを演じている。「以前、『トロン:レガシー』で人間じゃないプログラムをされた役をやったことはあったけど、ロボットやアンドロイドを演じたことはなかった。それはとてもエキサイティングだったよ」と振り返る。アーサーは映画の前半で、クリス演じる主人公にとって唯一の話し相手となる。「アーサーは、ロマンチックコメディーにおける親友役であり、可笑しくないといけない。また、彼の狙いはいつもわからないから、もしかしたら悪役なのかもしれないという役どころでもある。実際、彼は物語で大きなターニングポイントを引き起こすんだ。そういったことすべてをロボットとして演じるのは面白いと思ったし、チャレンジだと感じたよ」。

 マイケルは、アーサーをあまり人間過ぎず、あまりロボット過ぎず、ほどよいバランスで演じている。「彼がマシンであることを、あからさまにしたくなかった。観客が彼のことを人間だと思い込み、そうじゃないことがわかった瞬間、驚くようにしたかった。それに、彼の動きは全くエネルギーを無駄にしない。完璧な流れで、間違いなく正確に動くんだ。言葉に詰まることもない。何か理解出来ないことがあると、彼は止まってしまう。彼の目的は、ジム(クリス)やオーロラ(ジェニファー)を喜ばせることなんだ。そういうことを意識しながら演じたよ」。

 また、巨大な宇宙船の誰もいないバーのシーンは、どこかホラー映画の名作『シャイニング』を彷彿とさせるが、そのことについて「わざとだよ。僕の衣装もロイド(『シャイニング』のバーテンダーの名前)と同じだ。アールデコのバーのデザインもそれを意識したものなんだ」と嬉しそうに明かしていた。『エイリアン』でイアン・ホルムが演じたアッシュや『プロメテウス』でマイケル・ファスベンダーが演じるデヴィッド、『2001年宇宙の旅』の HAL 9000 や『ウエストワールド』でユル・ブリンナーが演じたガンスリンガーなど、SF映画には多くの素晴らしいアンドロイドたちが登場してきた。マイケル演じるアーサーが、今後SF映画の歴史に残るアンドロイドになるか、10年後の評価が楽しみだ。(取材・文:細谷佳史)

映画『パッセンジャー』は全国公開中