UAEでは左SBでフル出場した長友。タイ戦でも頼りになりそうだ。写真:徳原隆元

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 3月28日にタイ戦を控える日本代表戦の面々が、26日に埼玉県内でトレーニング。練習後、長友佑都が取材に応じた。
 
 UAEを2-0で撃破した23日の一戦に続く連勝を狙う日本。アジア最終予選グループBは6試合を終えて、1位サウジアラビア(勝点13)、2位日本(勝点13)、3位オーストラリア(勝点10)、4位UAE(勝点9)と混戦で、最終順位は(1、2位はロシア・ワールドカップ行き決定、3位はプレーオフ進出)は得失点差争いになる可能性もある。それだけに、ここまで未勝利で最下位に沈むタイからは大量得点も期待されるが、長友はまずは勝利が重要だと強調した。
 
「みなさんは大量得点を期待しているかもですが、まずは勝点3が大事です。タイには良いFWがいますし、注意したい。UAE戦と同じくまずは守備からしっかりやりたいです。チームの雰囲気は良いですが、監督もここで負けたら意味がないと言っていました。締めていきたいです」
 
 タイの試合はすでにオーストリア戦(11月15日/2-2)とサウジアラビア戦(3月23/0-3)を映像でチェック。「勝てはしなかったけど、良いサッカーをしていた。侮れない相手です」と気を引き締めた。
 
 UAE戦ではキャプテン長谷部誠の不在という緊急事態を受け、中盤を従来の三角形(2ボランチ+1トップ下)ではなく逆三角形(アンカー+2インサイドハーフ)に変更。日本はこれがハマってアウェーで貴重な勝点3を手にした。
 
 今やアジア屈指の強豪国となった日本との試合で相手は、スカウティングを重ねて挑んでくる。今予選が始まった当初から、「ウチはすごく研究されていた。ピッチにいるときも、怪我で出られずテレビで見ていても感じていました」と振り返った長友は、チームの多様性を歓迎した。
 
「UAE戦のやり方はハマりました。ずっと同じフォーメーション、メンバーでは、相手にとっては対応が簡単。その意味ではカメレオンみたいにチームを変えていくことは良いことです。研究の通りじゃなければ、相手はメンタル的にやられてくる。選手も歓迎していますよ」
 
 このいわば“対策の対策”という考え方は、相手に応じてシステムや人選を頻繁に変えるなど、戦術的多様性ではいまだ世界随一のセリエAで7年目を迎える長友ならではの見方と言っていいだろう。
 
 28日の試合は力関係を考えればタイが引いて守り、日本が攻め込む時間帯が増えるはずだが、今予選はそういう状況で何度も苦労してきた。だからこそ、「引いた相手を崩すのはずっと課題。最後の精度が大事になる」と気を引き締めた。
 
 長谷部に続き、25日には今野康幸、郄萩洋次郎、大迫勇也の故障離脱が決定する(追加招集は遠藤航と小林悠)など緊急事態だけに、タイ戦のスタメン11人はいまだ不透明。しかし、「どんなフォーメーションでもメンバーでも戦えることを証明したい」と自信を見せた長友は、ハリルジャパンにとってやはり大きな存在だ。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)