爆音用に設置されたスピーカーで観客を圧倒した

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 25日、映画史にさんぜんと輝くモンスターを現代によみがえらせた『キングコング:髑髏島の巨神』が丸の内ピカデリー3で爆音上映され、すさまじい音圧の上映で観客を圧倒した。この日は、本作が上映作品としてラインアップされている「丸の内ピカデリー爆音映画祭」代表で、boid主宰の樋口泰人、本作の字幕監修を行った映画評論家・町山智浩も来場した。

 キングコングが神として君臨する謎の島・髑髏島(ドクロトウ)での壮絶な死闘を描き出した本作。今回行われた「爆音上映」とは、音楽ライブ用の音響機材を映画館内に設置し、通常の映画上映では味わえないような極上の音響と、腹に響き渡るような音量で上映するもの。音響のチューンナップを行ったのは、爆音上映の第一人者である樋口。劇場前方のフロント、両サイドには通常の劇場ではなかなか見られないような巨大スピーカーが鎮座しており、その存在感を見せつけた。

 「こんなスピーカーをちゃんと置ける劇場ってほとんどないんですよ。前の方に座っている人も、今はおとなしく座っていますけど、始まったら大変。音圧で踏みつぶされますよ」と笑いながら切り出した樋口は、「最近のアメリカ映画は(前方のメインスピーカーではなく、後方など周囲に設置されている)サラウンドの音が大きくて。会場全体から音が出るという方式なんですが、今回はスクリーンに隠れているセンタースピーカーと、(前方の)両サイドに設置されているスピーカーからガツンと来ますんで、お楽しみに」と会場の期待をあおった。

 本作は1979年の映画『地獄の黙示録』へのオマージュがささげられているが、その事を町山が指摘すると、「実は『地獄の黙示録』の日本の上映権は(樋口率いる)boidが持っているんですよ。この映画祭で上映すれば良かった」と悔しがる樋口。町山が「『キングコング〜』では(1960年代後半から70年代前半にかけて活躍したロックバンド)CCRの「バッド・ムーン・ライジング」や「ジャングルを越えて」が流れますけど、それは『地獄の黙示録』で(CCRの)「スージーQ」が流れていたからなんですよ」と指摘すると、樋口は「去年、立川の映画館で『地獄の黙示録』を上映した時は「スージーQ」の音をいかに聞いてもらうかを考えましたね」としみじみ。そしてそれを踏まえて「今回は(劇中で流れる)ブラック・サバスの「パラノイド」に音量を合わせているんですよ。その分、キングコングが暴れるところの音量がとんでもないことになった」と笑いながら付け加えた。

 そして本作の見どころについて尋ねられた町山は、「さっき(前の上映回の)エンディングの時に様子を見に行ったら、帰っちゃう人がいるんですね」と残念そうな表情を見せつつも、「でも最後は帰らない方がいいですよ。この映画、エンドクレジットが長いんで、それを待つのは大変ですが、それを我慢すると(おまけ映像が観られて)ちょっとだけいいことがありますよ」とアドバイスを送った。(取材・文:壬生智裕)

『キングコング:髑髏島の巨神』は全国公開中
同作のほか、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『oasis FUJI ROCK FESTIVAL'09』『パシフィック・リム』『ダークナイト』『ゼロ・グラビティ』などが上映される「丸の内ピカデリー爆音映画祭」は4月7日まで実施