中国の人びとにはお茶を飲む習慣があるが、特に中国南部では個人商店などの店主たちが、見知らぬ客に対しても店内で一緒にお茶を飲みながら世間話をしていくよう誘う習慣がある。日本では見知らぬ人にお茶を飲んでいくよう勧めることはほとんどないと言えるが、これは日本人と中国人の人間関係の距離感が違うためと言えるだろう。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国の人びとにはお茶を飲む習慣があるが、特に中国南部では個人商店などの店主たちが、見知らぬ客に対しても店内で一緒にお茶を飲みながら世間話をしていくよう誘う習慣がある。日本では見知らぬ人にお茶を飲んでいくよう勧めることはほとんどないと言えるが、これは日本人と中国人の人間関係の距離感が違うためと言えるだろう。

 中国南部では見知らぬ人であっても店内に一歩足を踏み入れた人は友人だという伝統的な考え方があるようだが、これに類する文化的な背景で育った中国人にとって、日本人の人間関係における距離感には冷ややかさを感じてしまうようだ。中国メディアの捜狐は19日、日本の「電車の車内における冷ややかさ」について論じる記事を掲載した。

 記事はある読書好きの中国人の感想を紹介している。この中国人は電車に乗る際は必ず本を携帯し、目的地につくまで読書に没頭する習慣があるというが、この読書好きで静けさを愛する中国人が「日本の電車」で感じたのは、車内にいる日本人の乗客は他人の世界に干渉することなく、とても静かだったため、「あふれるほどの心の喜び」だったという。

 しかし、この中国人は時が立つうちに、日本の電車内の静けさの背後には「冷ややかさ」が隠されていると感じるようになったと紹介。この主張の根拠として、日本社会の発展は裏返せば「人間関係の希薄化」であり、もし他人に余計な関心を示すと「何か下心があるのではないか」と疑われる恐れがあるゆえに、日本の人びとは互いに関心を示さなくなっているのではないかと論じた。

 電車で隣に座った人と会話をするということは、中国人に限らず、米国人なども普通にすることだが、日本では隣に座っただけの人と会話をすることはまずない。そのため、外国人から見れば「日本人は互いに余計な関心を抱かないように見える」かもしれないが、日本人の重要な行動原則の1つに「人に迷惑をかけてはいけない」いうものがある。日本人が車内で他人に話しかけないのは他人に配慮しているからであり、これを「冷ややかさ」と呼ぶのは違和感がある。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)