3月24日は、結核予防デーだった。かつては不治の病として非常に恐れられていた伝染病の結核だが、現在では発病率が低下し、ちゃんと検査や診療を受ければ恐れるに足らない状況となった。中国メディア・捜狐は同日「結核の予防治療において、われわれは日本から学ぶべき点がまだたくさんある」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 3月24日は、結核予防デーだった。かつては不治の病として非常に恐れられていた伝染病の結核だが、現在では発病率が低下し、ちゃんと検査や診療を受ければ恐れるに足らない状況となった。中国メディア・捜狐は同日、「結核の予防治療において、われわれは日本から学ぶべき点がまだたくさんある」とする記事を掲載した。

 記事は、中国で毎年新たに見つかる結核患者が90万人にのぼり、2011-15年で活動性肺結核が見つかり、治療や管理を受けた患者数は427万人に達したと紹介。以前に比べて改善されているものの「日本と対比すると、まだまだ多くのことが学べる」とした。

 そして、日本では結核予防法が制定された1951年の結核発病率が10万人あたり700人で、毎年12万人程度が死亡する「国民病」とされてきたが、官民協同による積極的な予防活動により80年までには同60.7万人と10分の1以下まで下がったと伝えている。

 そのうえで、結核予防法制定以降日本が取り組んできた結核予防、コントロールのポイントとして「検査」、「報告」、「入院治療・勤務停止」、「積極的な伝染病調査」、「医療保険や公共基金による費用援助」、「治療後の患者への調査」、「乳児の予防接種」の7点を挙げて説明した。

 伝染病で防ぐべきは感染の急増によるパニックの拡大だ。情報のコントロールもある程度必要だろうが、隠ぺいしたり虚偽の報告をすれば、それが発覚した時の混乱はさらに大きくなる。中国は2002-03年のSARS騒動でそれを痛感しているはずだ。情報の封じ込めに頼らず、着実に疾病コントロールの体制を作り、成果を出していくことが求められる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)