フレッシャーズ編集部

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生まれ育った地元を離れ、都心の大学に進んだという方は、そのまま都心で就職する人も入れば、地元に戻って就職するUターン希望者の方もいると思います。また、地元で働きたい場合も目的はさまざまあるでしょう。では、故郷から離れた土地で働くことが決まっている新社会人の中で、いずれは地元で働きたい」と考える人は、どれくらいの割合で存在するのでしょうか?
そこでフレッシャーズ編集部では、これから新社会人になる内定を獲得した大学4年生のなかで、地元を離れた内定先に進む人を対象に、将来的には地元で働きたいかどうかを調査しました。

■内定先の勤務地はどこですか?

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まずは、内定先の勤務地はどこか聞いてみました。

地元 141人(42.1%)
地元以外 118人(35.2%)
勤務地は未定 76人(22.7%)


地元に就職予定の新社会人がもっとも多いという結果に。それでは次に、地元以外に就職する118人の新社会人に、将来は地元で働きたいと思うかどうか聞いてみました。

■将来的にいつかは地元で働きたいと思いますか?

はい 38人(32.2%)
いいえ 80人(67.8%)


「いいえ」という回答が多数を占めました。就職先を選んだ段階でずっと地元を離れて働くと決めているのでしょうか? それぞれの意見を見ていきましょう。

■将来は地元で働きたいと思う人の意見

●地元に貢献したい

・地元に還元すること、地元でおもしろいことをするのが夢(女性/22歳/大学4年生)
・生まれ育った場所で貢献したい(女性/22歳/大学4年生)
・地元に貢献したい(女性/22歳/大学4年生)

●家族を支えたい

・親の介護が必要になってきたときは、実家から通いたいので(女性/23歳/大学院生)
・家族のことはやはり心配だし、できれば近くに住みたい(女性/24歳/大学院生)
・将来的には、親の介護など生活面を考えて地元で生活したい(男性/21歳/大学4年生)

●地元が好き

・地元が好きだから(女性/22歳/大学4年生)
・地元がとても便利なところだから(女性/22歳/大学4年生)
・住み慣れているから(女性/21歳/大学4年生)

●その他

・子育てをしていくことになったら両親が近くにいてくれた方が心強いから。また、子育てするのに内定先の地域がいいとは思わず、自分が生まれ育った地元で育てたいと思うから(女性/22歳/大学4年生)
・実家から通勤したいから(男性/22歳/大学4年生)
・母の実家を相続したい(女性/24歳/大学院生)
・親や友人と過ごす時間を大切にしたいから(女性/23歳/大学院生)

多かったのが「地元に貢献したい」という意見。今は都心で働いていても、いつかは地元のために働きたいと思っている人が多いようですね。また、地方で暮らす家族の介護などのことを考えて、地元に戻りたいという人も。自分のことよりも家族を思って将来を選択する新社会人も少なくないようです。
それでは次に、地元で働く予定はない人の意見を聞いてみましょう。

■地元で働く予定はない人の意見

●職の選択肢が少ない

・地元で魅力的な企業がない(女性/22歳/大学4年生)
・恐らく求めるような働く場所がない(女性/25歳/大学院生)
・地元の企業をよく知らないから(女性/22歳/大学4年生)
・地元の企業は条件が悪そうだから(女性/22歳/大学4年生)

●地元が好きではない

・地元に魅力はないから戻りたくない(女性/22歳/大学4年生)
・地元には何もなく、職場環境のいい企業を優先したいから(女性/22歳/大学4年生)
・地元が嫌いだから(女性/22歳/大学4年生)
・地元が好きじゃないから(女性/22歳/大学4年生)

●今いる地域が好き

・内定した勤務地が魅力的だから(女性/22歳/大学4年生)
・この県でやっていこうと考えているから(男性/22歳/大学4年生)
・できるだけ今の内定先の企業で働きたいから(女性/24歳/大学院生)

■その他

・プライベートと仕事は分けたいから(女性/22歳/大学4年生)
・家族もみんな引っ越してて、地元に帰る必要性がないから(女性/26歳/大学4年生)

地元に帰りたくないという人は、単に地元が好きではない、内定先や今現在住んでいる地域が好きという人のほかに、「職の選択肢が少ない」という意見が多く挙がりました。職種によっては求人が都心に偏っているものもあり、地元で今と同じ仕事をしようと思っても難しいというケースがあるようです。地元と違う地域に就職を決めた人は、もともと地方にはあまり求人がない職種・業種を選択したという人が多いのかもしれません。

今回のアンケート調査では、「地元に戻って働きたい」と思っている人が少ない結果となったものの、その裏には「戻りたくても仕事がない」という理由があることがわかりました。現在、厚生労働省が地域への就職を促す「LO活」プロジェクトを実施するなど、Uターン就職に注目が集まっていますが、地域での就職を選択できない事情もあるようです。

文●ロックスター小島

マイナビ学生の窓口調べ
調査日時:2017年2月
調査人数:今春から社会人になる大学生男女335人(男性142人、女性193人)