安倍晋三首相が首相に就任して以降、中国のメディアやネットでは「右翼」という言葉をよく見かけるようになった。中国メディア・環球時報は24日、「日本の右派と右翼を混同してはいけない 反右は必ずしも反日ではない」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 安倍晋三首相が首相に就任して以降、中国のメディアやネットでは「右翼」という言葉をよく見かけるようになった。中国メディア・環球時報は24日、「日本の右派と右翼を混同してはいけない 反右は必ずしも反日ではない」とする記事を掲載した。

 記事は、日本の政治には「左」と「右」が存在し、「右」の中には「右翼」と「右派」という2つの呼び方があると紹介。両者が含む意味や指すものには違いがあるとした。

 そのうえで「右翼は、思考が戦前の状態で止まっている過激派団体」と定義。「右派」については「冷戦を背景とした政治用語である。冷戦中、社会主義者を左派と称し、資本主義者を右派と称した。1955年に自民党が右派勢力を、社会党が共産党を除く左派政党を統合して『55年体制』ができた。冷戦の影響から右派は反共・反中の傾向を帯び続けた」と説明した。

 一方で、「55年体制」によってできた右派政党である自民党には「タカ派」と「ハト派」が存在し、ハト派の大部分は日中友好を主張していると指摘。「自民党は決して純粋な右派政党ではないのだ」とするとともに、「タカ派」についても「理念は右翼と重なる部分があるものの、だからと言って自民党が右翼政党とも、タカ派が右翼とも言えない」と解説している。

 そして「総じて、日本には右翼団体や右翼主義者がいるものの、純粋な極右政党は存在しない。その根本的な原因は、国民が過激な主張を受け入れないからだ。右寄りと言われる自民党にも多くの『良心派』がいるのだ」とした。記事は最後に「反右は必ずしも反日であるわけでなく、日本の大多数の良知派とともに反右を展開する必要があるのだ」としている。

 世の中は善悪や左右といった単純な二項対立で物事を片付けられるほど簡単にはできていない。最も避けるべきは、一部の思考や発言を切り取って簡単にレッテルを張り付けてしまうことである。その恐ろしさは中国自身も文化大革命に身に染みているはずだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)