Nintendo New York

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 今月3日に世界同時発売された新型ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」の売れ行きが好調だ。

 アメリカのゲーム市場調査会社SuperDataの発表によると、ニンテンドースイッチの世界総販売台数は、初週で推定150万台。特に、人口の約48%に当たる1憶5500万人が何らかのビデオゲームを楽しんでいると言われているアメリカでは、約50万台を売り上げ、追加入荷も即完売する人気ぶりだ。

 そんなゲーム大国アメリカに唯一、任天堂のオフィシャル総合ショップ「Ninetendo New York(ニンテンドーニューヨーク)」が存在することはあまり知られていない。

 Nintendo New Yorkは、毎年巨大なクリスマスツリーが飾られることで知られるロックフェラーセンターの隣に位置する。

◆店のスタッフから“任天堂愛”が漏れ出てくる!

 店に入るとすぐに聞こえてくるのは、ニンテンドーの各ゲームで使用されている音楽のアレンジバージョン。一気に独特な空気に引き込まれると、次に待ち構えるのは1体のマリオだ。

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 実はこれ、任天堂が手掛けるおもちゃやフィギュアの基準モデルとして使われている代物で、それゆえあえてシンプルに作られているのだという。店の奥へ進むと、店内にはここでしか手に入らない洋服やおもちゃ、各キャラクターのぬいぐるみがずらりと並んでおり、見たことがあるのに目新しく映るのがおもしろい。

 らせん階段で2階へ上がると、ゲーム体験コーナーが広がる。任天堂を代表するゲームが無料でプレイできるのだが、中でも目を引く巨大スクリーンは天井に届くほどの高さがあり、前に立つと自分がゲームの中にいる感覚を味わえる。筆者が店に赴いたのは、土曜日の午後。観光客はもちろん、家族連れのニューヨーカーが、ゲーム機の前で夢中になっていた。

 ゲーム体験コーナーの隣で、しばらく商品を物色していると、1人の店員が「何か分からないことあったらいつでも聞いてくださいね」としつこすぎない対応。言葉に甘え質問すると、返ってくる全ての答えがゲームに疎い筆者にも分かりやすく、さらには、わざわざ私物のゲーム機を社員ロッカーから持ち出し「よかったらプレイしてみてください」と貸してくれた。彼らが持つゲームや任天堂に関する情報量はもとより、そのひたむきで真摯な接客姿勢を見ていると、「任天堂愛」がひしひしと伝わってくる。

◆湾岸戦争から生還したゲームボーイ

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 このショップの中で最も人を集めていたのが、展示ブースだ。

 ゲーム体験コーナーの奥には、任天堂が発売した様々なゲーム機が歴代順に並べられている。幼少期に使っていたファミコンやそのカセットソフトを見つけた瞬間、溝のホコリに息を吹きかけていたころの記憶がよみがえる。ふと隣を見ると、老若男女、多人種の来店客が筆者と同じように、懐かしげな顔をしてそれらをカメラに収めていた。

 ニューヨークでは星のカービー、ゼルダの伝説、マリオが人気のようで、展示のほとんどはこれらのキャラクターグッズが並んでいた。

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 この展示ブースの中でも特に来店客の目を引いていたのが、黒焦げのゲームボーイだ。1990年に起きた湾岸戦争で、現場に持ち込まれたものだという。兵舎が爆撃を受けた際に黒焦げになったが、今なお動き続けている。

 戦場と言う過酷な現場に、日本のゲームが兵士の娯楽として持参されていたのかと思いながら見ると、複雑な気分になる。

 アメリカが日本を凌ぐほどのゲーム大国であるとはいえ、そのショップが日本国内ではなく、アメリカに、それもたった1店舗のみ存在するということに対しどう思うかと前出の店員に聞くと、「世界の流行を作り続けるニューヨーク。いろんな国から刺激を求めにたくさんの人がやって来ます。そんな街のど真ん中に、たった1か所だけ遊んで楽しめるショップを作ることで、この店に付加価値を付けたい。ここに来ることを楽しみに、時には目標にしてほしいんです」と話してくれた。

 外国にいながらも、日本のゲームが世界の老若男女の多人種に愛されていると実感できる空間。ニューヨークを訪れた際は一度足を運んでみるといいかもしれない。

<文・橋本愛喜>