スポーツと政治は無縁、とは言うが、政治的な要素が全く影響しないというのはあくまでも理想に過ぎない。23日に湖南省長沙市で行われたサッカーW杯最終予選の中国−韓国戦は、明らかに異様な雰囲気だった。(イメージ写真提供:123RF)

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 スポーツと政治は無縁、とは言うが、政治的な要素が全く影響しないというのはあくまでも理想に過ぎない。23日に湖南省長沙市で行われたサッカーW杯最終予選の中国-韓国戦は、明らかに異様な雰囲気だった。

 中国メディア・今日頭条は24日、1-0で中国が勝利したこの試合について韓国世論が「敗戦の言い訳探しをしたり、負け惜しみを言ったりしている」とする記事を掲載した。

 記事は、韓国メディアが自国代表の戦いぶりを激しく非難する一方で、一部スポーツメディアが「中韓関係が緊張する中でアウェーに乗り込んだ韓国代表には巨大なプレッシャーがかかり、本来の力を出せなかった」、「この勝利だけで中国人は『恐韓症』を忘れる事は不可能。勝ち点3を取ったが、中国はW杯には行けない」と紹介。

 このような韓国メディアの伝え方を「言い訳探し」と断じたうえで、「彼らがこのように伝えれば伝えるほど、この試合の勝利が大きいものであることが示される。彼らの心理を知る由もないが、韓国人が中国サッカーの進歩に嫉妬を抱き始めていることは見て取れる」と伝えている。

 記事を読んだ中国のネットユーザーからは「W杯に行けなくても、あんたに勝っただけで十分だ」といった類のコメントが多数寄せられた。また「W杯に行くヤツが中国に勝てないことこそ、笑い話じゃないか」という反論も見られた。

 サッカーに関しては謙虚だった中国のネット世論が、ここまで激しく韓国への嫌悪感を見せる状況から、中国における対韓感情の急速な悪化ぶりが垣間見える。同時に、この勝利が中国サッカー界やサポーターに大きな勇気と自信を与えたことも伺える。政治的な感情がどれほど試合に影響したかは分からないが、中国にとっては大きな勝ちだったと言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)