韓国南部の海に沈んだ旅客船「セウォル号」がようやく海面に姿を見せた。死者295人、行方不明者9人という大惨事から約3年。韓国紙は「疑惑は払拭して痛みは癒やされるべき」「襟を正して」などと、さまざまに反応している。光化門広場

写真拡大

2017年3月25日、死者295人、行方不明者9人という14年4月16日の大惨事から1073日。韓国南部の珍島沖に沈んだ旅客船「セウォル号」が23日、ようやく海面に姿を見せた。過去3年間、絶えず政争の具にもなってきたセウォル号。韓国紙は「疑惑は払拭(ふっしょく)して痛みは癒やされるべき」「襟を正して」などと、さまざまに反応している。

中央日報は「水面上に姿を現したセウォル号、疑惑は払拭して痛みは癒やされるべき」との社説を掲載。「全国民に怒りや痛みを与えたセウォル号の引き揚げは終わりでなく始まりだ。3年を待ってきた9人の行方不明者の収容と各種疑惑の解消、社会的葛藤と痛みの治癒、『安全大韓民国』の再設計が課題として残されているからだ」と指摘した。

さらに、「政界がセウォル号の問題を5月9日の大統領選まで先送りしようとすれば社会的対立や分裂がより深まる可能性がある。セウォル号の犠牲者に対する道理ではないばかりか、国民も決して許さないだろう」とも強調した。

ハンギョレ新聞は「セウォル号の前で襟を正して」との社説で、「沈没から救助失敗、のろまな引き揚げまで全てが誤ってきたことをセウォル号は全身で私たちに証言している」と政府の対応を批判。「船体の引き揚げは、真実糾明作業を再開する契機にしなければならない」「真相究明の隠蔽・妨害行為の顛末を明らかにし、責任者も必ず処罰しなければならない」などと論じた。

朴槿恵前大統領には「数百人の命が危機に陥った重要な時に7時間を浪費した大統領が、自分だけは処罰を避けようと調書を7時間も読んだという事実に国民は怒っている。セウォル号が上がってきたこの時点に、7時間に対する告白と率直な謝罪を改めて要求する」とした。

朝鮮日報は「セウォル号沈没事故3年、韓国社会の何が変わったのか」との社説の中で、「問題はセウォル号の惨事の後、韓国社会の安全システムが改まったとは言えないという点だ」
と言及した。

その上で、次期大統領レースのトップを走る文在寅・前「共に民主党」代表をやり玉に上げ、「その人物は朴前大統領の弾劾当日に彭木港を訪れ、セウォル号の惨事で犠牲になった高校生に向けて『すみません、ありがとう』としたためた。あきれ果てる、衝撃的な行為だ。セウォル号政争の極端さを示しているかのようだ」と非難した。

東亜日報は「セウォル号引き揚げ…『子どもに先立たれる悲しみ』を越えて」との社説で、「むごたらしい姿を見せた船体は子どもに先立たれ、耐えていかなければならない遺族の悲しみはもとより、政府の無能さと指導者の不誠実、大人たちの貪欲さと安全不感症、事後対策をめぐる国論分裂と政界の利己主義、そのすべての象徴だ」と論難。

「大統領選を控え、政界がこの不幸な事故の傷を再び掘り返して怒りをあおり、政治的な扇動をしてはならない。今は国家的悲しみから立ち上がらなければならない時だ」と呼び掛けた。(編集/日向)