小林悠(撮影:PICSPORT)

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25日、小林悠は練習途中で監督に呼ばれ追加招集を告げられたそうだ。そのまま練習を切り上げ、UAEから帰国した代表に合流。その日の夜は先発したフィールドプレーヤーたちと一緒にアップシューズで練習場に現れ、軽いトレーニングを行った。

大迫勇也の負傷で呼ばれることになった小林のポジションはどこか。これまでは右サイドで本田圭佑のバックアップという起用が多かった。だが、この日の練習前にヴァイッド・ハリルホジッチ監督からは「今回は真ん中でやることを意識して」ほしいと申し渡された。つまり1トップでの起用を考えていると言うことだ。

小林は自分が起用の優先順位としては「一番下」だと推測していた。大迫、岡崎慎司というハリルホジッチ監督のリストで、一番上が抜けたから岡崎の下に自分が加わったと考えているようだ。

柔和な性格の小林だから、当然どんな役割でも必死でこなすだろう。だが、この日の小林の様子は少し違っていた。追加招集という立場に忸怩たる思いがあるようだった。

実際、今シーズンはずっと調子がいいことを自認していた。だから珍しく招集メンバーに自分の名前がなかったときは落胆していたのだ。「好調」なのに「追加」ということで、プライドが傷ついたのは間違いない。「気持ち的に難しい」ことも素直に認めていた。

しかし「こういう準備をしていないときに出番が回ってきたりすることがある」のも自覚してる。「真ん中に入ったら身体を張ってボールを収めることが大事」とプレーのイメージもしっかりと持っている。

ワールドカップ3次予選の初戦で大島僚太に出番が来たことを考えても、小林が唯一のJリーガーFWとして埼玉のピッチに現れても不思議ではない。そこで結果を残さないと、優先順位は上がっていかない。タイ戦は小林にとっても代表生き残りを賭けた大一番となる。

【日本蹴球合同会社/森雅史】