モーニング娘。’17『BRAND NEW MORNING/ジェラシー ジェラシー』(通常盤A)

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 今年で結成20周年を迎えるモーニング娘。’17が、“新たな時代”に突入している。

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 3月8日にリリースした63枚目のシングル『BRAND NEW MORNING/ジェラシー ジェラシー』は、新体制の現在のグループを歌っている。「BRAND NEW MORNING」は、十字で回転しながらラインを揃える高度なフォーメーションダンスと、一糸乱れぬ隊列を維持しマーチングする。<We’re BRAND NEW MORNING! 過去を超えて行くぞ><新たなる仲間と今攻める時だ>と歌うメンバーの気迫あるパフォーマンスからは、脈々と受け継がれる“モーニング娘。”という看板を一身に担う姿を感じずにはいられない。一方の「ジェラシー ジェラシー」は、誰もが抱く、心のどこかにある嫉妬心を肯定し、成長していこうという向上心を表現。シングル表題曲としては久々のラップパートも存在し、つんく♂の斜め上を行く歌詞が炸裂している。

 新時代の幕開けに相応しいこの2曲で、ダブルセンターとして先頭を切るのが、13期メンバーとして昨年12月にグループに加入した加賀楓、横山玲奈の2人だ。振り返ると、モーニング娘。は2014年9月に12期の4人が加入。その2カ月後の11月に道重さゆみが卒業した後は、翌年の大晦日に鞘師里保、半年後の2016年5月31日に鈴木香音と卒業が続いていた。約2年3カ月ぶりの加入であり、結成20周年に迎える2人は満を持しての新メンバーと言える。

 加賀、横山共にハロー!プロジェクト研修生からの選出であるが、加賀は4年間、横山は3カ月とキャリアに大きな開きがある。加賀は研修生時代に、℃-ute、モーニング娘。などのツアーにバックダンサーとして帯同し、キレのあるダンスを習得していった。2人の加入が発表された、昨年12月の日本武道館公演『モーニング娘。'16コンサートツアー秋〜MY VISION〜』では、登場から感極まり涙を見せていた。そして、先日3月8日に東京ドームシティ ラクーアガーデンステージで行われたリリースイベントでも、初のリリース日を迎えたことに感情をこらえ切れず涙を流していた。彼女のグループへの思いがどれほど強いのかが分かる。

 横山も研修生3カ月間だとは言え、ジャズダンスを7年やってきたことにより基礎が出来上がっている。百戦錬磨である先輩メンバーのダンスに混じっても、決して引けを取ることはない。また、グループの中ではクールキャラに当てはまる加賀に対して、横山は自身でチャームポイントは笑顔であると言い切ってしまう人物。牧野の決めゼリフ「まりあん(ハート)LOVEりんですっ(ハート)」を「よこやん(ハート)LOVEりんですっ(ハート)」と恥ずかしげもなくやり通してしまうほどに、度胸が座っている。2人のそれぞれの個性を比べることで、なぜ加賀と横山をグループに加入させたのかが見えてくるだろう。

 3月18日より『モーニング娘。’17コンサートツアー春〜THE INSPIRATION !〜』がスタートを切った。腰椎椎間板ヘルニアで活動休止していた佐藤優樹が復帰し、現メンバー13名が初めて揃ってファンの前に登場するツアーだ。YouTubeチャンネル「ハロ!ステ」には、ツアー初日の神奈川県パシフィコ横浜 国立大ホールでの「BRAND NEW MORNING」のライブ映像(https://youtu.be/gb-TnWVxn88?t=41s)が公開されており、スクリーンには、たなびく旗に“BRAND NEW MORNING”のメッセージ。メンバーはフラッグパフォーマンスを決め、貫禄ある姿を見せている。ツアーファイナルは恒例の日本武道館。ツアー終了後の6月には、香港での単独公演『Morning Musume。'17 Live Concert in Hong Kong』も控えている。

 ここで思い出すのは、前回のツアーファイナル日本武道館での終演後、スクリーンに映し出された「see you next stage」の文字。あの日、佐藤は「つんく♂さんから『モーニング娘。は武道館を普通にしてほしい』とおっしゃっていただきましたが、それをドームをしたい!」と誓っていた。今回のツアータイトルには、刺激の意味を持つ“INSPIRATION”が掲げられている。結成20周年が何もなく終わるわけはない。10年目の際には、卒業メンバーを含めたスペシャルユニット「モーニング娘。誕生10年記念隊」が結成されている。先日『SAYUMINGLANDOLL 〜再生〜』公演で活動を再開した、道重との不思議な縁を感じずにはいられない。

 ハロプロ全体に目を向ければ、6月に℃-uteが解散し、カントリー・ガールズの嗣永桃子がグループ、及びハロプロを卒業していく。2017年はハロプロにとって激動の年になることは間違いない。ハロプロ全体のリーダーは、℃-uteの矢島舞美からアンジュルムの和田彩花へと移り、新たにモーニング娘。’17の譜久村聖がサブリーダーに就任した。ほかにも、つばきファクトリーがメジャーデビューを果たすなど、着実に新たなグループも芽吹き始めている。ハロプロ全体としても、今年は新時代の幕開けを迎える。<弱さを知る今なら 強く生きられるはず/同時代の仲間よ 助け合う時だ>と歌われる「BRAND NEW MORNING」は、ハロプロを背負って立つモーニング娘。’17を表しているようにも思える。20年の歴史の新たなページは、ツアーファイナルの日本武道館で垣間見えることだろう。(渡辺彰浩)