「コーヒーメイト」ユン・ジンソ“撮影期間中、監督と毎日飲んだ”

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女優ユン・ジンソがコーヒーの香りのように甘酸っぱく濃い恋愛映画で帰ってきた。ユン・ジンソは映画「コーヒーメイト」で医師の夫を持つ主婦を演じる。退屈な日常を過ごしており、偶然カフェで会った家具デザイナーのヒス(オ・ジホ) に強く惹かれてしまうイニョン役を務め、内に秘めた感情演技を表現した。

映画のほとんどのシーンが、カフェの中で行われるため、俳優たちのセリフだけで映画全体を引っ張って行かなければならない。ユン・ジンソもセリフが本当に多かったと話し、毎回現場で未熟さを感じたと伝えた。

彼女が務めるイニョンというキャラクターは“普通の人生”という枠にはまって窮屈さを訴える人物だ。しかし、映画を観た観客に“旅行に行ってくださいと話したい”というユン・ジンソは、イニョンとは正反対の、自由で閉ざされていない人物だった。

―出演されたこの作品に対して、ご自身はどのように見ましたか?

ユン・ジンソ:楽しく見たシナリオであり、シナリオくらい出来栄えも良いと思いました。当然、個人的な演技にはいつも心残りがありますが、今まで監督と交わしていた映画に対する話が映画の中に溶け込んでおり、着地点にちゃんと着いたような気がしました。

―映画は題材に比べて刺激的なシーンがないですよね。

ユン・ジンソ:会話でそこまで深い感情を分かち合うことができるのは、成人だからこそできることだと思います。若い人たちの会話が浅いというわけではありませんが、それでも私の考えは、私が幼い時より今のほうが、会話により深い意味を入れることができると思っています。そういう部分が、私がこのシナリオを選択した理由です。そういうセリフ劇をやってみたかったです。

―独白のセリフが多いです。大変な点が多かったのではないですか?

ユン・ジンソ:私は毎回、現場で力不足ではないかと思ってました。どんなにたくさん準備しても、セリフが多すぎたから。そしていつも座って、セリフだけですべてを表現しなければならなかったので、毎回なんだか残念な気持ちでした。撮影が終わっても、どうにも虚しい気分で。だから監督を家に帰さず、撮影が終わると毎日一緒にワインや焼酎、ビールを飲みに行きました。撮影したカフェの周辺の酒場は全部行ったと思う。撮影監督と監督、私の3人で撮影が終わってからたくさん話し合いました。確信を持って演技できる感情ではなく、すごく悩みが多かったです。

―一番気に入っているセリフはなんですか?

ユン・ジンソ:セリフが本当に多かったですが、これでも半分以上カットされたものなんですよ。長すぎて、最初は(上映時間が) 4時間ほどありました。セリフが多かった分、覚えているものも多いのですが、映画に出たものの中では、オ・ジホ先輩のセリフで「木にも性格がある」という話が好きでした。私は個人的に、とても木に共感したんです。木といっても、すべてが椅子になりたいわけではないし、家具になりたくないと思うかもしれない。私は生まれてからそんなことを考えたことが一度もなかったんですが、シナリオを読んで「ああ、そうかもしれない。すべての生命にはすべて自身の意図があるのかもしれない」と思いました。そんなセリフが本当に美しいと感じたんです。

―オ・ジホさんとの共演はどうでしたか?

ユン・ジンソ:オ・ジホさんと私はすごく違いました。何もかも。世の中を見る価値観も違うし、撮影現場でのスタイルも違うというか。でも、それが後で頼りになったんです。自身と違うというのは、違う考えを聞くことができるし、いつも私と反対の考え方をされたので、そんなふうに考えることもあるんだというアイデアもたくさん得られたと思います。

―どんな点が一番違いましたか?

ユン・ジンソ:完全に性格が違うので、はっきりとこれだというには曖昧なんですが…。オ・ジホさんはセリフを途中で間違えても、気に留めずにすぐに上手く集中できるみたいで。私はセリフが長いだけに、一度にやりきりたいという自分の中の欲があったんですね。感情を消費し続けるのは大変だから。でもオ・ジホさんはそういうことにストレスを感じないみたいです。そういう点で、ちょっと違ったと思います。

―イニョンがヒスに会っていなければ、ずっと自身が作った幸せの中で生きていたと思いますか? それとも結局、他の人を探したと思いますか?

ユン・ジンソ:さあ、それはどうでしょう。本当にこれが現実であれば、その女性は誰かが自分自身を叩き起こしてくれることを待っているから、その喫茶店に座って一人で人々を見物していたんじゃないかと思うんです。でも、本当に心が全くない人なら、ヒスが最初にやってきて、「座ってもいいですか」と言われたとき、不愉快に思ったり、断っていたと思う。変わる気がない人なら。ヒスであるかないかについては意味がないと思います。自ら変わる気があって、そこから抜け出したいと思った女性なのではないですかね。

―映画の結末は気に入りましたか?

ユン・ジンソ:元々のシナリオと結末が違います。私はシナリオの中の結末より、本作の結末のほうが好きですね。実は、シナリオの中の結末も撮影したんですよ。でも、私は撮影現場に向かいながら監督に電話して“このシーンは本当にないと思う、なぜ撮らなければならないか分からない”と話しました。私は開かれた結末が似合う映画だと思ったから。そこに何か結末を与えることは、すごく映画を狭ませて見せることだと思います。

―映画を観た観客に話したいことはありますか?

ユン・ジンソ:旅行に行ってください。私はそのシナリオを読みながら快感がありました。個人的には社会風刺的な感じもあるし、今の時代の女性たちに監督が話したいこともあると思います。でもそこから全部離れてください、結局自身の人生の主は自身なのですから。