週末のドル円為替相場はドル高に転じ、1ドル111円24銭で今週の取引は終了した。トランプ大統領への失望感が広がったことに反比例して、市場はアメリカの先行きに期待しているようだ。

 注目を集めていたのはアメリカ下院議会の採決の行方だった。トランプ大統領が推し進める「オバマケア」代替法案について採決が一日延期されていたが、その決着が日本時間の25日未明についた。トランプ大統領の当初のコメントではもっと早く決まるはずだったため、違和感を持った人もいたかもしれないが、トランプ大統領が共和党の統制に苦労していることを示していた。

 法案の否決可能性のニュースが25日4:00ごろ(時間はいずれも日本時間)に届けられた。この時点ですでにリスク回避の動きは強くなり、1ドル111円28銭から1ドル110円76銭まで下がっていた。さらに110円63銭の安値をつけた。4:20に採択断念のニュースが届く。可決が厳しいことでトランプ大統領は諦めたのだ。ここから約30分間で1ドル111円26銭までドルは買われることとなった。トランプ大統領が主導しようとする政治が失敗したのにリスク回避の動きが止まったのだ。

 市場は、この代替法案採択問題が終了したことで、トランプ大統領が税制問題に着手できると前向きに受け止めた。アメリカの政治に対する不信感よりも先々への期待感が上回ったのだ。

 5:20ごろにライアン米下院議長がコメントを発表した。「わずかに可決まで票が届かなかった。これからは税制改革を進めていくが、困難なものになるだろう」。確かに税制問題へと移っていくのだろうが、トランプ大統領の手腕には疑問が投げかけられる結果になった。共和党内すらまとめられなかったのだ。

 5:30ごろにそのトランプ大統領もコメントを発表した。「共和党は税制改革に取り組んでいく」。そのころにはドル買いの動きは止まっていた。

 ドル・円相場は、来週以降に向けて、アメリカに火種が残ったというのがポイントだろう。トランプ大統領はこの挫折感をパワーに変えてどこまで強硬スタイルを貫けるのだろうか。