習近平氏との間にゴルフ問題勃発(トランプ氏のFacebookより)

写真拡大

 アメリカのドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席による米中首脳会談が4月6日と7日に行われる予定だが、その会談の成り行きが専門家の間で危ぶまれている。ただし、話し合うテーマで両者の意見が衝突して、会談が決裂するという危惧ではない。

 ゴルフが大好きなトランプ大統領に対して、習主席はゴルフが大嫌いで、トランプ氏の「ゴルフ場での差しの会談」の誘いを習氏が「拒否」し、両者が対立して、会談失敗という可能性もありうるというもの。双方の側近らは早くもそれを懸念しているというのだ。

 トランプ氏のゴルフ好きは有名で、米国内外で17のゴルフコースを所有している。自身も「オフィスでまとまらない交渉も、ゴルフ場でなら、これまでいくらでもまとめたことがある」と豪語するほどで、ゴルフをプレーしながら、ビジネスの交渉するのはトランプ氏の好みのスタイルだ。

 実際、2月11日の大統領就任後、初めての日米首脳会談はフロリダ州パームビーチに自ら所有する高級ゴルフリゾート「マー・ア・ラゴ」で行われ、トランプ氏と安倍晋三首相は一緒に27ホールを回ったことは記憶に新しい。

 そこで、かなり打ち解けた関係になり、「首脳会談後に共同記者会見が行われ、共同声明も出されたことで、外交的に大きな成果となった」(在京外交筋)だけに、「ゴルフ外交」が奏功したことを示している。

 だが、ゴルフ外交が習氏には通用しないことは明らかだ。習氏は2015年に米カリフォルニア州パームスプリングの高級ゴルフリゾートに赴き、バラク・オバマ前米大統領との首脳会談に臨んだが、やはり大のゴルフ好きのオバマ氏が習氏にゴルフをしながらも会談を提案したものの、習氏が拒否したのだ。

 結局、2人はゴルフをする代わりにゴルフ場付近の草原を散歩しながら、通訳を一人連れただけで、「ウォーキング会談」を行った。だが、当時は南シナ海の中国軍基地の問題や、沖縄県の尖閣諸島問題、中国によるとみられる米国内の主要官庁や企業へのサイバーテロ問題などで対立し、会談は決裂、米中両国は険悪な関係に陥った。

 ゴルフをしなかったことが必ずしても大きな理由ではないにしても、両者の個人的な信頼関係が築けなかったことも事実。「もし、習氏がゴルフに興じるだけの余裕があれば、その後の深刻な対立関係にまで至らなかった可能性もある」と同筋は指摘する。

 中国では習近平指導部が発足してから、約8800万人の中国共産党員を対象にした新倫理規定を発表し、ゴルフ場が腐敗の温床になるなどとして、実質的に党員のゴルフも禁止。さらに、昨年、中国全土に683カ所あるゴルフ場すべてに当局の検査が入り、122カ所が運営禁止、496カ所が土地の不正利用によるゴルフコースの一部原状回復を命じられるなど、683カ所のすべてのゴルフ場がなんらかの罰則を受けた。これらの厳しい措置は習氏の意向が強く働いているとされる。

 4月の米中首脳会談では、ゴルフをめぐる懸念もあながち杞憂ではなさそうだ。