まるでオーラ!森山未來の生体反応を可視化

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 藪からスティックな話ですが、「霊感がある」という人の間で昔から、人の生体反応を「オーラ」として語られることがあるのをご存じでしょうか。筆者が子供の頃にはそんな不思議な内容を紹介する番組が度々放送され、子供の間では幽霊やUFOをまとめた本が大ブームとなったことがあります。

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 オーラの色は語る人により様々ですが、共通して言われるのが「人をつつみこむ何かがある」ということ。ただし、霊感度0の人間からすればそんな話まゆつばもので、筆者も子供の頃熱中したことすらすっかり忘れていました。

 ところがもしかしたら今後、どれだけ霊感度0の凡人でも人のオーラと思われるものを見られる時代が来るかもしれません。ただしそれは霊感を使ってでは無く、最新テクノロジーを使って。非科学ではなく科学を使ったパワープレイでです。

 3月20日から24日にかけドイツ・ハノーバーで行われたテクノロジーのビッグイベントの一つ国際情報通信技術見本市「CeBIT(セビット)」の会場で、それを実現させる技術が披露されました。

■森山未來の生体反応を可視化 体から吹き出す何かにビックリ

 人間の生体反応の可視化と言うと従来、沢山のコードを体につなぎ脈の音を拾い上げ、それをモニター上で折れ線グラフのようにして見る方法。しかし、今回CeBITで披露されたパフォーマンスでは、体に装着した無線デバイスから生体反応をリアルタイムに取得し無線送信、そして受信側で映像に置換しARで投影することで、躍動感ある映像としてパフォーマーの体から吹き出させたのです。

 披露されたのは、20日(月・祝)に開催されたオープニングセレモニーの会場。安倍内閣総理大臣をはじめドイツのメルケル首相など、政財界のトップ約2,000人が列席するなかでライブパフォーマンスが行われました。

 参加したのは、俳優でありパフォーマーの森山未來さん。映画『モテキ』の主演などで俳優として知られていますが、森山さんは5歳の頃からダンスを始めたプロのパフォーマーでもあります。その森山さんを主演に、ダンスカンパニーELEVENPLAYが脇をかため、総合演出・振付にはMIKIKOさん(ELEVENPLAY)、クリエーティブ・ディレクター 菅野薫さん(DENTSU LAB. TOKYO)、真鍋大度さん(Rizomatiks Reserch)など若い才能が集結。音楽は小山田圭吾さん、カールステン・ニコライさん、evalaさん、SEIHOさんと国際的に活躍するアーティストが名を連ねています。

 そして、この時のパフォーマンスは動画としてフルバージョンで公開されています。動画は約10分とやや長めなのですが、森山さんの動きに合わせ体から吹き出す「しぶき」の様な、「変形するスライム」の様な美しい何かに引き込まれ、筆者は10分しっかり“魅入って”しまいました。視聴感想は、お恥ずかしいほどの平凡ですがただただ「すげー」の一言。動画に映る安倍総理もそりゃニッコリするはずです。

 しかも1回じゃ何が何だか分からなかったので繰り返し見てしまいました。そして見ているうちにふと思ったのが、何かに似てるなということ。それが冒頭触れた「オーラ」を思い出させたのです。人が生きている、鼓動している瞬間を見るというのはこんなにも美しかったのか……と。

■適当に可視化してるわけじゃないよ!

 パフォーマンスを実現させるために様々な日本企業が協力・技術提供しています。セイコーエプソンのプロジェクター、ファナックのロボットアーム、コニカミノルタのフレキシブル有機ELに加えて、生体反応を可視化させるための基幹技術としてNTTドコモからは生体データ通信テクノロジーが提供されています。

 恐らく技術屋の皆さんが気になるであろう、ドコモ提供の技術は「hitoeトランスミッター01」「hitoeトランスミッターSDK」「デバイスWebAPI」。この技術は、リアルタイムに取得した生体データを見える化するドコモのデバイスWebAPI技術で、さまざまなスマートデバイスを操作したり、各種センサ機器のデータを収集したりするIF技術になっているそうです。ちなみに、この技術についてはドコモが特設ページを設けより詳しく公開しています。筆者のド下手な説明じゃ分からない!という技術屋の皆様は、直接ページの方で確認してください。

 ドイツで披露され、動画公開もされた今回のパフォーマンスは、生体反応の可視化以外にARを駆使した映像技術も魅了されるものがあります。心拍数などに合わせた約10分間の美しい物語は、今後スマートフォン以外に、映像、舞台演出などへも強い影響を与えるのではないでしょうか。

(宮崎美和子)