パレスチナ自治区ガザ地区北部ベイトラヒヤで「ガザの図書館」を開いたモサブ・アブ・トハさん(左)と友人のシャフィ・サレムさん(2017年2月20日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

写真拡大

【AFP=時事】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)北部のベイトラヒヤ(Beit Lahia)の実家で暮らすモサブ・アブ・トハ(Mossab Abo Toha)さん(24)は、生まれてから一度もガザの外に出たことがない。代わりにそこから「脱出する」手段として、読書に没頭する毎日を送ってきた。

 イスラエル軍による包囲とエジプトによる出入境制限によって外部へ出ることのできない多くのガザ住民同様、アブ・トハさんも「旅」を夢見ている。「自由とは、人が心を解放したときに始まる」と言う。

 アブ・トハさんは、ガザのイスラム大学(Islamic University)で英文学を専攻し、その情熱を分かち合うために国連(UN)が運営するガザの学校でシェークスピア(Shakespeare)文学を教えている。「英語で何十冊もの本を読んできた。そうすれば世界中のどこの国へも、どの時代にも行ける。別世界にいるみたいだ」

 そんなアブ・トハさんが今、友人のシャディ・サレム(Shadi Salem)さんと一緒に取り組んでいるのが、ガザ地区で初となる英語書籍の図書館の開設だ。「新しくても古くても構いません。英語の本を送ってください」。本好きの若者は自分のフェイスブック(Facebook)のページにこう書き込んだ。

 去年の7月にスタートした「ガザのための図書館と書店(Library & Bookshop for Gaza)」のページには、約2500人のフォロワーがいる。これまでに米国や欧州などから200冊以上の本と2000ドル(約22万円)の寄付金が集まった。中には、米国の思想家ノーム・チョムスキー(Noam Chomsky)氏から直接送られてきた3冊もある。

 寄付された200冊の本は、アブ・トハさんの所有する400冊以上の本とともにベイトラヒヤにある実家の本棚に並んでいる。今後の目標はさらに1000冊の本を集めることだ。
【翻訳編集】AFPBB News