(撮影/齋藤正行)

世界で最も美しいニューハーフを決めるコンテスト『ミスインターナショナルクイーン2016』(タイ国王崩御により’16年11月開催が’17年3月に延期された)がタイのパタヤで開催された。

’09年に、はるな愛さんが日本人初のグランプリに輝いたことでも知られる本大会。12回目の今回は、世界各国から24人が集まった。日本人出場者は、BSスカパー!のLGBT応援番組『プリティ・ウーMEN』内で初開催された日本予選を勝ち抜いた2人。惜しくも入賞は逃したものの堂々とした戦いぶりを見せてくれた。そんな、日本人出場者2人に話を聞いた。

國咲舞花さん(36)は、日本とフィリピンのハーフ。5歳から日本で生活。コンテストでは世界のトランスジェンダー事情を知ることができたという。

「イスラム教徒の方で、家族の期待に応えるために気持ちを押し殺して結婚し、子どもをもうけたという出場者がいました。その後、去勢手術をし、今は家族から絶縁されたそう。国が違えばLGBT事情も変わる。ここに至るまでの人生を知ると優しくなれる。ラブ&ピースという言葉が本当に存在するんだなと実感しました」

もともと引込み思案な性格だったという國咲さんは、「この大会は私を変えてくれました。いろんなことに挑戦したい!」と語った。

鈴木ゆまさん(35)の初恋相手は男のコ。高校の文化祭のミュージカルで女のコ役を演じ、女性になりたいと気がついた。劇団四季で活躍後、33歳のとき女性として生きる決心を。今回、出場に合わせエステへ行ったらショックな出来事があったそう。

「スタッフの方に、戸籍はまだ男なんですと話すと、施術も返金もできませんと言われて。これが日本のLGBTの現状なんだと悔しい思いをしました」

そんな状況にも落ち込まず、鈴木さんの夢は広がる。

「ニューハーフの知り合いもいなくて孤独だった2年前、私の力になったのは活躍しているトランスジェンダーの姿。私も人に勇気を与えられる存在になりたいです」

なお、今回のコンテストの様子は、BSスカパー!で放送される。本選の模様を3月25日(土)22時30分〜『プリティ・ウーMEN presentsミスインターナショナルクイーン2016』にて。日本代表の2人に密着したドキュメントを、4月14日(金)23時〜『プリティ・ウーMEN presents ニューハーフ世界大会挑戦、その後 〜性を超越した美しさを求めた先〜(仮)』にて。