写真提供:マイナビニュース

写真拡大

●スマホより小さくて軽い
スマートフォンのようなサイズ、形状をしたドローンが発表された。この"空飛ぶセルフィーカメラ"と銘打たれた「AirSelfie」は、高度20mの視点から写真・動画の撮影が可能だ。価格はモバイルバッテリーとのセットが31,598円(税込、以下同)で、出荷は5月を予定している。

開発したのは英AirSelfie社。このたび発表されたAirSelfieは、サイズは94.5×67.4×10.6mm、重さは約61gと、スマートフォンより小さくて軽い。発表会場で実機に触れてみたが、ポケットに入れて気軽に持ち歩けるサイズ感だった。アルマイト加工されたアルミ製ボディは高級感があり、耐久性もそれなりに期待できそうだ。500万画素のカメラを搭載、1080p/30fpsの動画撮影に対応。Wi-Fi接続したスマホのアプリ(iOS・Android用)でフライト操作を行う。

発表会にはAirSelfie社 共同設立者のエドアルド・ストロッピアーナ氏が登壇、詳細を説明した。同氏によれば、開発資金はクラウドファンディングのキックスターターで調達。製品が公開されると81カ国から支援者を獲得し、わずか72時間で目標額を達成したという。

「キックスターターにより、どの国に私たちの支援者がいるか認識できた。そして、製品がグローバルで支持してもらえるという確信を持てた。日本は反響の大きかった国のひとつで、支援してくださる方が多かった」とストロッピアーナ氏。今後の日本におけるビジネス拡大にも期待感を示した。

会場ではAirSelfieを飛ばすデモも行われた。スマホのアプリに表示される「Take Off」の文字をスライドし、AirSelfieを空中に軽く投げることで離陸。カメラのアイコンを押すことで、写真や動画の撮影が行える。最長10秒間のタイマー撮影が可能なセルフィー・タイマー機能が利用できるほか、最大8枚の連続撮影にも対応。なお撮影した写真や動画は、アプリを通してSNSに簡単に投稿できる。着地するときはボタンを押すだけで着地地点に降下、電源がオフになる。着地ポイントに自動で戻ることも可能だ。

同社Webサイトでは、すでに特別価格による予約受付を開始。価格は、AirSelfie+phone coverが31,598円、AirSelfie and powerbankが32,818円、powerbankが10,004円となっており、キックスターター支援者には3月から、予約販売の購入者には5月から順次発送を開始する。なお現在、複数のディストリビューター(販売代理店)とも話し合いを続けているとのことで、家電量販店などで販売される可能性もありそうだ。

●どんな人に向いているか? AirSelfieの飛行動画も
AirSelfieは、市販のドローンとは何が違うのだろうか。また、どんな層に響きそうか。そしてイマイチなポイントはあるだろうか。ここからは筆者の主観を述べていきたい。

この製品、まず何より見た目に大きなインパクトがある。ドローンと言えば、"Xの形状をした4つの羽を持ったラジコン"といった先入観があるが、AirSelfieはまるで異なる。スマートフォン(あるいはデジカメ)が飛んでいるような、そんなイメージなのだ。

デモを見た限りでは操作が単純化されており、またホバリングの安定性も際立っていた。これならドローン初心者でも容易に扱えそうだ。安全面も配慮されており、仮に飛行中のAirSelfieを握ってしまっても指がプロペラに巻き込まれる恐れがない。実際、ストロッピアーナ氏の2歳になる姪は誤って運転中のプロペラを触ろうとしたが、怪我をすることはなかったという。

国内でドローンを飛ばすとなれば、国土交通省による「ドローン規制法」が頭に浮かぶ。しかし法の対象となるのは質量200g以上のドローンで、わずか61gしかないAirSelfieでは法律を気にする必要はない。モラルのもとで、自由に飛行を楽しめるだろう。ちなみに発表会でストロッピアーナ氏は、「ドローン」という言葉を使わなかった。AirSelfieはドローンではなく、あくまで"セルフィ―カメラ"というコンセプトなのだとか。惜しいのは、連続飛行時間が約3分間と短いこと。バッテリーが切れたら、フル充電まで30〜40分という時間を待たなければいけない。

なおこれも余談だが、ストロッピアーナ氏は記者との雑談のなかで「ジャカルタで飛ばした際に地上に落下し、AirSelfieの上を2台の乗用車が通過していった。タイヤに踏まれてアルミ製のボディがヘの字に曲がってしまったが、飛ばしてみたら問題なく飛んだ」というエピソードを明かしていた。

ではAirSelfieは、どういった層に響くだろうか。そのきっかけとして、競合製品と価格を比較していきたい。いま、子どもでも飛ばせる玩具のドローンは1万円以下で購入できる。また、ビジネス用途で開発されたドローンは安くても10万円前後するのが常識だ。しかし、この中間を狙う「子ども心を持ち続けている大人に向けたドローン」となると、市場に少ない。ここにAirSelfieの展開できる余地があるのかも知れない。

カメラは好きだけれどデジカメはすでに持っており、友人あるいは家族とスマホで自撮りをすることもある。でも最近、そんな撮影スタイルにも飽きつつある。面白いカメラがあれば買いたい。ドローンには前から興味があったけど、高価だし難しそうで使いこなせる気がしない。そんな人たちに広く受け入れられるのではないだろうか。

外観は上品で洗練されたアルミ製の本製品。社会人がスマホと一緒に持ち歩いても違和感がない。飛ばす直前までドローンと気が付かれないので、ドローン撮影したいときの"気恥ずかしさ"のようなものも解消されそうだ。

(近藤謙太郎)