3月23日、秋葉原のAKB劇場において、AKB48の大島涼花が卒業を発表した。大島涼花といっても、多くの人はピンとこないであろうが、16人ものオーディション合格者を出したAKB13期生の中では、最も推され、選抜入りしていたメンバーである。小柄ながらキレのあるダンスと、物怖じしないキャラクターで期待されていたが、近年は少々伸び悩んでいた感はあった。

 だが、驚いたのは、この卒業発表に際し、悲しみや惜別の声が、SNSでも、匿名掲示板でも、驚くほど少なかったことだ。彼女だけではない。レジェンドである小嶋陽菜は別格として、今年に入って卒業を発表したAKBメンバーに対するファンの反応は鈍い。ダンスパフォーマンスでSKEを引っ張ってきた石田安奈に対しても、バラエティで盛り上げた中村麻里子に対しても、AKBにおいては珍しい正統派のルックスを持っていた岡田彩花に対しても、「ふーん」「やっぱり」という反応が圧倒的なのだ。人気のあった橋本奈々未や深川麻衣のみならず、アンダーが多かった永島聖羅や伊藤寧々といったメンバーですら、暖かく話題にする乃木坂との違いは非常に大きい。

 とにかく、AKBは一時的に推されても、人気が定着しない状態が、特に若手に対して続いている。ドラマの主演に抜擢された大和田南那であろうと、三銃士の一角としてパフォーマンスを評価されて人気を獲得してきた西野未姫に対しても、一時的には持ち上げても、すぐに心変わりをし、それだけではなく、昨日まで応援していたメンバーを攻撃し始める人間が多い。「メンバーが努力して、夢を叶える過程を見守る」というコンセプトはもう存在しておらず、小さな瑕疵を見つけては炎上させて謝罪を要求するというクレーマー集団化しているとも言える。

 もちろん、きちんとメンバーの成長を感じることを楽しみにして、握手会などでそういう話をする良質なファンもいないわけではないのだが、残念なことにそれが表には出てこない。メンバーを消耗品のように扱い、自分の思い通りにならないと癇癪を起して叩く幼稚なファンが、CDだけは買ってミリオンを維持するという体質になってしまったAKBGは、さながら「少女たちの夢の墓場」になりかけている。

 現在、希望の星になりつつある、チーム8やSTU48もまた、こういう悪質なヲタのおもちゃとして消耗されてしまうのか、それともモモクロや坂道グループのように、バランスを見ながらメンバーの成長を後押しするのか、AKBGの答えを見守りたいと思う。