鶏肉を食べる時は「原産地」をチェック!(写真はイメージです)

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「グッド・モーニング!」(テレビ朝日)2017年3月23日放送
ブラジル食肉不正で波紋、日本の「食の安全」は?

日本が輸入する鶏肉の約8割を占めるブラジルで、大手食品会社21社が、腐った肉のニオイを消すために発がん性の化学物質を混ぜるなど悪質な食肉不正事件が発覚した。

ブラジル警察は2017年3月23日までに食品会社幹部や、賄賂を受け取り食品検査の書類を偽装した役人ら30数人を逮捕した。ブラジル警察は2年前から「カルニフラカ」(欲望に弱き肉作戦)と名づけ、内偵を進めていた。番組では、「日本の食の安全」を守るチェック体制はどうなっているのか報告した。

腐った鶏肉のニオイを消すため発がん物質を混ぜた

リポーターの飯村真一アナがパネルを見せながら解説した。日本は食品の約6割を輸入に頼っている。肉をみると、牛肉は約60%、豚肉は約49%、今回問題になった鶏肉は約34%が輸入で、その約80%がブラジルだ。日本に流通している鶏肉の4分の1以上がブラジル産ということになる。

飯村アナ「ブラジルがどれだけひどいことをしていたか。まず、鶏肉に水を加えて重くします。さらに腐った鶏肉に......腐らせること自体ひどい話ですが、発がん性のある化学物質を混ぜてニオイを消していました。そして、政治家や検査官に賄賂を送り、そのまま輸出していたのです」

これほどひどい食品の輸入を防ぐ日本の検疫体制はどうなっているのか。全国にある検疫所は32か所、食品衛生監視員は408人しかいない。一方、2015年の輸入届け出件数は約226万件もある。全部チェックすることは不可能なので、一部だけを調べるサンプル検査を行なう。その対象は、過去数回違反した「問題業者」が約5万8000件、ランダムに選んだものが約9万5000件と、合計約15万3000件だ。全体の約7%にすぎない。

検査項目は、残留農薬、添加物、微生物、カビ毒など数百種類にわたるが、1つの食品に全部実施するのは難しいため、約50種類だけ調べる。2015年は約15万3000件のうち412件の違反を見つけた。ブラジル産・大豆の「異臭とカビ」、シンガポール産・揚げピーナッツの「基準の14.7倍の発がん性物質」、インドネシア産・スナック菓子の「猛毒のシアン化合物」などだ。

MCの松尾由美子アナ「けっこう怖いのがあるのですね。よく見つけてくれました」

全体の93%は書類チェックだけ。それも偽装されると...

では、サンプル検査なしの残りの約93%は、どうやって「食の安全」をチェックするのだろうか。

飯村アナ「書類チェックだけです。まず、輸出する国の食品会社の報告書があります。添加物や農薬は何を使ったかなどです。それから、輸出国の政府の衛生証明書です。安全な生鮮食品であることを証明します」

書類チェックだけで大丈夫なのだろうか。検疫体制に詳しい東京大学大学院の鈴木宣弘教授がこうコメントした。

鈴木教授「不十分ですが、すべて検査するには人員が足りません」
MCの坪井直樹アナ「今回のようにブラジル政府自体が偽装書類を作っていた場合は、どうやって書類でチェックするのですか」
飯村アナ「厚生労働省の検疫担当者に聞くと、『ブラジルのように政府が偽装をしていたら、判別することなどできません』ということです」

日本政府は、ブラジルの21社からの輸入を一時停止し、さらに21社以外のブラジル産鶏肉もすべて「目視チェック」(目で見て安全を確認)の対象とする対策をとった。しかし、問題になった発がん性物質の検査はどうするのか。

飯村アナ「実はまだ、その発がん性物質が何という物質なのか明らかになっていないのです。だから、厚生労働省の検疫担当者によると、『検査のしようがない。しかし、わかれば検査対象に加える可能性がある』とのことでした」

もう1つ心配なことがある。問題のブラジル産鶏肉が、加工食品として日本国内に入っている可能性が高いというのだ。鈴木宣弘教授がこう解説した。

鈴木教授「ブラジル産鶏肉がほかの国に輸出され、そこで加工肉になって日本に入ってきた場合、ブラジル産かどうかわからなくなり、検疫でチェックするのが難しくなります」

こういうことだ。たとえば、ブラジルから鶏肉がA国に輸出される。A国の食品会社のB社がそれを加工肉にし、日本に輸出する。その時のB社の報告書には、「原料」は「鶏肉」とだけ記載され、原産国は書かなくてもいい。そして、「加工肉」の原産国は「A国」になるわけだ。

松尾アナ「(ためいきをつきながら)はあ〜、そうなんですか」
飯村アナ「良心的な会社だと、加工肉の原産地までホームページに記すところもありますから、私たちはそれを調べて自衛するほかありません」