仗助&承太郎の戦闘シーン
 - (C)2017 映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会 (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

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 人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」を実写映画化する『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』でメガホンを取った三池崇史監督は、「敵に回すと大変な原作」だと明かす。ビジュアルやキャラクターの立ち振る舞い……そこには映画の常識にとらわれすぎると、損なわれてしまう「ジョジョらしさ」が潜んでいる。

 昨年12月、都内で行われた『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』の現場取材会。この日の撮影現場には、主人公の東方仗助役の山崎賢人と空条承太郎役の伊勢谷友介が現れた。二人が撮影したのは、彼らの命を狙うアンジェロ(山田孝之)との戦闘シーン。仗助の家を舞台に、仗助と承太郎はアンジェロからの攻撃に備えて息をひそめつつも、感覚を研ぎ澄ませていく。

 撮影中、承太郎役の伊勢谷は二つ以上の帽子をシーンごとに使いこなしていた。一つは「JO」のロゴを右につけた帽子、もう一つはそのロゴを反対側の左につけた帽子。通常であれば、かぶっている帽子自体がロゴの位置から違う別物になるなんて、シーンごとのつながりを意識する上では“やってはいけない”違和感を生む異物になる。

 この点について三池監督に尋ねると、監督は撮影を通して違う帽子を作る案が生み出されたとした上で、「原作でもそうなっているんですよね。映画では許されないことでも、『ジョジョ』だからいいという部分がある。(ジョジョは)普通は『つながらなくなる』という僕らの常識を取っ払ってくれる作品でもあると思います」と説明する。その上で、「敵に回すと大変な原作だと思うんですけれども、僕らはリスペクトして『ジョジョ』を味方に映画を作っていきたい」とジョジョだからこその画(え)づくりに努めているのだという。

 監督いわく『ジョジョ』には、「究極にメジャーなタイトルですが、映画はもっと自由になれるんじゃないかと、解放してくれる面白さ」があるとのこと。だからこそ今回の撮影では、スペインでのロケに踏み切った。「自由を得るためには日常と切り離した方がいい。日本で撮影していると、(撮影後に)本当の自分の部屋に帰ってしまう。だからこそスペインで、自分たちにとって帰る家がないという状況で、『ジョジョを作り楽しむ』ことを目的に撮影しました」。

 監督のその思いは役者陣にも伝わっているよう。伊勢谷は「(原作を)乗り越えるのは難しいという恐怖が頭によぎった時もあったのですが、監督が三池さんだった。不可能を現実化できる監督なんです。ミラクルをすごく期待しながら撮影しています」と笑顔。人一倍重圧を感じているであろう主演の山崎も、「プレッシャーはやはり感じていましたけれども、撮影に入って日々向かい合う中で、三池さんの演出で自由にやらせていただいて。出せるだけの力を振り絞っています」と続けていた。

 そして、そんな彼らが撮影中に特に気を付けていることは、原作者を常に意識すること。三池監督は「原作者からの希望を事前におうかがいできても、現場ではわれわれに委ねるしかない。だからこそそれに応えなきゃなという気持ちがあるんです。それはプレッシャーではなくて、モチベーションになりますよね。(原作者を)お客さんというひとくくりに入れても失礼になる。だから原作者に向かって比較的直球を投げるタイプなんです」とコメント。また「クリエイティブなところは原作の中にある。そこに『ジョジョ』ってこうだよねという僕らの思いは邪魔になってしまう。僕らは『ジョジョ』はリスペクトして『ジョジョ』を作っていきたいという思いがあるんです」と話していた。(編集部・井本早紀)

『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』は8月4日より全国公開

※山崎賢人の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記