1ゴール1アシストと躍動したFW久保裕也

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[3.23 W杯アジア最終予選 日本2-0UAE アルアイン]

 世代交代を印象付ける一撃となった。昨年11月15日のW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦(2-1)に続いて右ウイングで先発したFW久保裕也(ゲント)が国際Aマッチ出場3試合目で初ゴール。得点だけでなく、果敢な突破と前への推進力で新星の登場を予感させた。

 前半14分、右サイドのタッチライン際でボールを持ったDF酒井宏樹からの斜めのパスに走り込み、PA内右の角度のない位置から右足を振り抜いた。「意外とフリーだったので冷静に打てた」。GKの位置をよく見て豪快にゴールネットを揺らす。敵地で奪った値千金の先制点が、自身のA代表初ゴールとなった。

 昨年11月11日の国際親善試合・オマーン戦(4-0)に後半26分から途中出場し、A代表デビュー。同15日のサウジアラビア戦でFW本田圭佑をベンチに追いやり、右FWで初先発を飾ったが、ケガのためハーフタイムに交代した。

「前回はいい形で終われなかったので、今回はと思っていた」。先制後も果敢に仕掛け、前半29分にも右サイドから中に切れ込み、左足でシュート。「このチームでは僕はまだまだ若手なので、どんどんアグレッシブにそういうのを見せていきたいと思っていた」と、貪欲にプレーした。

 後半6分には「今野さんが見えたので」と、右サイドから左足でファーサイドに正確なクロスを送り、MF今野泰幸の追加点をアシスト。最後は左足をつって後半33分に本田と交代したが、圧巻の1ゴール1アシストで日本を勝利に導いた。

「やっと初めてチームに貢献できたかなと思う」。所属クラブで苦しむ本田とは対照的に、今年1月のゲント加入後、7戦5発とゴールを量産する勢いの差も出た。30歳の本田から23歳の久保へ――。スタメン奪取のきっかけともなり得るが、久保自身は「そういう思いはない。1試合結果を残しただけ。続けないといけない」と、あくまで謙虚に話す。

「前回よりはスムーズにできたけど、もっと良くしたい。もっとボールも受けられると思うし、もっと右サイドからチャンスもつくれると思う」。リオデジャネイロ五輪では本大会メンバーに選ばれながら、当時所属していたヤングボーイズが土壇場で派遣を拒否し、出場を断念した。約半年前に涙をのんだ悲運のストライカーは、ベルギーでたくましさを増し、自らの力でロシアへの道を切り開こうとしている。

(取材・文 西山紘平)


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