安倍昭恵氏(写真:ロイター/アフロ)

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 大阪府の小学校建設用地取得をめぐる問題で衆参両院の予算委員会は23日、学校法人「森友学園」の籠池泰典氏への証人喚問を行ったが、同日夜に籠池氏は日本外国特派員協会(東京・有楽町)で記者会見を行った。

 18時開始予定だったが、約20分遅れてのスタート。19時までの予定だったが、30分以上延長された。主催関係者によれば、200人(団体)以上からの出席申し込みがあったとのことで、会場は立ち見も出るほどの超満員。座席に着席している人だけで、ざっと150人以上はいたようだ。後列に陣取ったカメラも、30台以上はあった。

 冒頭10分ほど、籠池氏が以下のようなこれまでの経過と、現在の思いとして「わけのわからんことが起こっている」と語った。

 2013年に不動産会社から大阪・豊中の土地を紹介され、国有地であるために15年に10年の定期借地契約を結んだ。しかし、期間延長について役所から色よい返事をもらえなかったために、同年10月、安倍晋三首相の昭恵夫人に助けてもらおうと電話をした。

 すると翌月に昭恵夫人付の政府職員からファックスが届き、その頃から物事が大きく動き出したと感じたそうだ。しかし、籠池氏は安倍首相や昭恵夫人が直接なんらかの口利きをしたとは考えておらず、側近や官僚たちが忖度した結果ではないかと推察している。

 なお、昭恵夫人はこれまで森友が運営する幼稚園を3回視察に訪れ、15年9月に園長室で2人きりとなった際に、昭恵夫人から100万円の寄付金を受け取ったという。名誉なことであり、そのときは職員にも話して、みんなで喜んだという。

 籠池は当初拒否していた衆参両院予算委員会での証人喚問を引き受けた理由として、“とかげのしっぽ切り”をされたくなかったためとした。

 籠池氏は今月10日、顧問弁護士の助言で、小学校の認可申請を取り下げたが、取り巻く状況は何も変わらないばかりか、その弁護士も15日に辞めてしまった。また、「財務省の佐川宣寿理財局長の部下から『10日間身を隠せ』と連絡があった」と述べた。さらに、国会でこの問題が議論されるようになってからも、昭恵夫人からメールが何通か届き、内容は「私の主人も大変なことになっている」といったもので、籠池氏には昭恵夫人による口止めとも思えることがあったという。

●「私は安倍首相が好きだ」

 質疑応答に移り、記者が「あなたの言うことが正しければ、安倍首相と昭恵夫人は嘘をついていることになる」と質問したところ、「嘘はいけないが、私は安倍首相が好きだ。職責を務めてほしい」と答えた。記者が「首相は辞めなくていいのか」と食い下がれば、「ご自身が判断すること」と返した。

 別の記者が「格安で国有地などを受け取ったら、イタリアでは訴追される。告発される恐れを感じるか」と質問したところ、籠池氏は「8億円安くしてもらったという感覚はない。そもそも値段を決めたのは、私ではなく国側だ」と答えた。

 この記者会見でたびたび出てきた「忖度」。今回の問題ではこれが大きなキーワードとなっており、全容解明には財務省の官僚や大阪府関係者の証人喚問が不可欠ではないだろうか。
(文=横山渉/ジャーナリスト)